INSTANT KARMA

We All Shine On

2017-03-01から1ヶ月間の記事一覧

大佐に手紙は来ない

「あたしたちはこんなことをしてる身分じゃないわ」彼女は言った。 「まとめて400ペソというお金がどれほどか、考えてみてちょうだい」 「もうすぐ恩給がくる」大佐は言った。 「15年も前からあなたは同じことを言ってるじゃないの」 「だから」大佐は…

どんとこいです

北尾修一‏氏のツイッターによれば、 ふと思い出したので、備忘録として書いておきます。『創作あーちすと NON』の中では「あまちゃん」がすべて「朝ドラ」という表記になっています。これ、編集部が検閲した結果だと思われている気がするのですが……違うんで…

予告された殺人の記憶

ガルシアマルケス初めて読んだ。 意外とすんなり読めた。 この小説は構成が非常に巧みである、と解説にあるが、確かにその通りで、ドキュメンタリータッチなのだが文学的でもあり、ミステリー的な面白さもあり、翻訳がこなれているせいもあるのか、非常に読…

普通の日記

環境のアフォーダンスをめぐる重要な事実は、価値や意味がしばしば主観的で、現象的、精神的であると考えられているのとは異なり、アフォーダンスがある意味で、客観的、現実的、物理的であるということである。けれども実際には、アフォーダンスは客観的に…

「僕はこんな本を読んできた」なんて本を書ける人が羨ましい

坂本龍一の1970年代の作品を取り上げた3枚組CD。 東京藝術大学時代に作ったヴァイオリン・ソナタ、弦楽四重奏曲、卒業制作の「反復と旋」などが聴けるのは興味深い。 富岡多恵子とのコラボ、役者からなる「ピラニア軍団」のプロデュース作品など、超レア…

aliens

いい曲ですよね、キリンジの『エイリアンズ』。 カラオケでは必須のレパートリーです(嘘。難易度高すぎて歌えない)。 けだるくて甘い、そこはかとなくシュールで危うい感じのメロディーが、さらにヤバい歌詞によって深みを増している。 歌詞はいくつもの解…

O.N.I.H.E.I

ハチ:ようクマさん、共謀罪やら森友学園やら相変わらず世の中は騒がしいねえ。お隣の国もガタガタと大変そうだし。 クマ:チャック・ベリーも逝っちまったしね。 ハチ:デビッド・ロックフェラーもな。 クマ:101歳だってね・・・ってそんな話をこのブロ…

チャック・ベリーが死んだ

いい天気だった。 久しぶりに渋谷に行き、息子と一緒にあちこち寄り道しながら明治神宮を抜けて新宿まで歩く。 アピチャッポン・ウィーラセタクン監督の『世紀の光』の冒頭に、ローポジションから広角レンズを使って空を仰ぎ見るようなロング・テイクの固定…

普通の日記

朝、昨夜録画したテレ東の深夜ドラマ『バイプレイヤーズ』(夏川結衣さん久しぶりにテレビで見た)と『山田孝之のカンヌ映画祭』(山下敦弘監督の熱演(?)に胃が痛くなりつつ爆笑。芦田愛菜の一言に凍る)を見る。 3月11日にオープンしたばかりの下落合図…

のんとはなんなのか?

シド・バレットはこう言った。若い連中がビートルズを好きなのは、…大部分は音楽のせいではなく、彼らがいつもしたいことをして、誰に対しても勝手気ままにふるまっているからなのだと。 「だから若いヤツらは彼らが好きなんだ―彼らはやりたいことをやってる…

ブンミおじさんの森

世界はより小さく、より西洋的に、ハリウッド的になっている。でもこの映画には、私が見たこともないファンタジーがあった。それは美しく、まるで不思議な夢を見ているようだった。僕たちはいつも映画にサプライズを求めている。この映画は、まさにそのサプ…

バンコクナイツ(2)

今回はネタバレ含むので未見の方はご注意 昨日のブログで映画『バンコクナイツ』について身も蓋もない否定的意見を書いてしまった後で、ネット上でこの映画に関するレビューをいろいろと読んでみたが、当初の感想を変える必要は感じていない。 ただ「空族」…

バンコク・ナイツ

テアトル新宿で上映中の映画『バンコク・ナイツ』を観てきた。 休日ということもあってか席はほとんど埋まっていた。直前に当日券を購入して幸運にも空いていたいい位置の席で見れた。 映画についての予備知識はほとんどなく、(1)映画「サウダーヂ」の監…

SNSと表現~ラ・ラ・ランド評をめぐって

菊地成孔の『ラ・ラ・ランド』評:世界中を敵に回す覚悟で平然と言うが、こんなもん全然大したことないね セッション評でひと騒ぎ起こした菊地成孔氏がまた挑発的なレビューを書いて話題になっている。 彼の饒舌で胡散臭い文体(褒め言葉)に免疫のない人に…

観音対応

今日はブログを書いてられる状況ではないのだが報道を見て余りにムカついたので手元のタブレットを叩いています 皆様ご存知の通り我らののんちゃんがヨーロッパで人気のある電動自転車の会社の宣伝大使に任命されて記者発表を行いました 報道写真ののんちゃ…

親愛ならざる人へ

奥菜さんの舞台を見るのは10年ぶりくらいだった。見てよかった。 以前の観劇の感想 失われた時を求めて 橋を渡ったら泣け 「アンネの日記」が作品の中で大切な要素として使われていて、思わず20年前に青山劇場で見た奥菜さん主演の「アンネの日記」が脳…

Non-Cinema ~アピチャッポン・ウィーラセタクン ──光と記憶のアーティスト

ここ数年の間に、タイは次第に政治的な無秩序状態に陥ろうとしている。わたしは密かに、この国が滅びることを望んでいる。一度、みずからを破壊することによって、わたしたちは異なる存在へと変化し、新たに生まれ変わることができる――これは、ごく自然なこ…

ゴロワーズというタバコを吸ったことがあるかい

R.I.P ムッシュウ ゴロワーズというタバコを吸ったことがあるかい? ほらジャン・ギャバンが シネマの中ですってるやつさ よれよれのレインコートのエリを立てて 短くなる迄 奴はすうのさ そうさ短くなる迄すわなけりゃダメだ 短くなるまですえばすうほど 君…