INSTANT KARMA

We All Shine On

2019-08-01から1ヶ月間の記事一覧

白痴

「この小説(『白痴』)は、その価値を知る者にとっては、何千ものダイヤモンドと同じ価値がある」 ―レフ・トルストイ トルストイは当然知ったうえで言っているのだが、この小説には数千のダイヤモンド以上の価値があり、それは比較になり得ない。 10万ル…

ナスターシャ

『白痴』を読み始めた。 自分の中では、ナスターシャ・フィリポヴナはナスターシャ・キンスキーのイメージだったのだが・・・ 実際彼女の名前は父親(クラウス・キンスキー)が『白痴』にちなんでつけたのだとか。 彼女の姉は父親から性的虐待を受けていたら…

ドストエフスキー体験

自分がドストエフスキーを初めて読んだのは18歳のときだが、当時のノートにはこう書きつけてある。 とにかく圧倒的におもしろく、最後までぶっとおしで一気に読み通した。とにかく圧倒的におもしろい。つべこべ言う前に、とにかくおもしろい。小説とはこん…

スヴィドリガイロフ

図書館で『「罪と罰」を読まない』という本を読んで中々面白かった。 作家4人が「罪と罰」を読まないまま想像でああだのこうだの喋っている本なのだが、最終的に読んだ後のスヴィドリガイロフ(スビ)についての分析が自分とほぼ同じだったので共感した。 …

罪と罰

ドストエフスキーのラスコーリニコフの内面を一度でも追体験した者は、父殺しの次の夜のミーチャ・カラマーゾフの訊問を追体験した者は、あるいは『死の家の記録』を追体験した者は、もはや、かたつむりのように俗物根性と自己満足のエゴイズムの殻の中へ隠…

のんさんに何が起きているのか

戦いは既に、のんさんの全面勝利の流れに入っている。 ノルマンディー上陸作戦まで、あと一息。 レ○ロの旦那は、地下室で震えながら待ってな。 のんさんに何が起きているのか エージェントが語る圧力 8/20(火) 10:40配信 朝日新聞デジタル NHKの連続テレ…

ドストエフスキー年譜

この週末は暑さのせいで一歩も外に出ず、ドストエフスキーを読んで過ごす。 新潮社の「ドストエフスキー全集 別巻・年譜」を一通り読む。これは、ドストエフスキーの先祖から没後の動きに至るまで、毎日の出来事をまとめたL・グロスマンによる1930年代の仕…

カラマーゾフあれこれ

ドストエフスキーについては、21世紀になって亀山郁夫が「新訳」を発表し、たいへん売れたらしい(らしい、というのはリアルタイムでは知らず、ネット知識でしかないため)。 そして、この亀山「新訳」については、研究者からかなり批判の声があるようだ(よ…

カラマーゾフの兄弟

暑いので、外に出ず、『カラマーゾフの兄弟』とその解説書を断片的に読みながら過ごす。 読むたびに、ドストエフスキーの作品の中には小説の中で表現できることのすべてが表現されていると感じる。最も高貴なことから最も卑俗なことまで。最も深刻なことから…

スタヴローギンの顔

「悪霊」より、仮面のような顔のスタヴローギン 「すばらしい。赤ん坊の頭をぐしゃぐしゃに叩きつぶす者がいても、やっぱりすばらしい。叩きつぶさない者も、やっぱりすばらしい。すべてがすばらしい。すべてがです。すべてがすばらしいことを知る者には、す…