INSTANT KARMA

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2020-01-01から1ヶ月間の記事一覧

批評の熱度

大井浩一『批評の熱度 体験的吉本隆明論』(勁草書房)を読む。 毎日新聞の学芸部記者として1997年から2011年まで吉本に取材し聞き書きの記事をまとめた著書による吉本隆明論。エピソードを中心とした読み物ではなく、著者自身の読書体験に基づく吉本思想へ…

吉本隆明1968

鹿島茂『吉本隆明1968』を読む。 1950年代の初期論考に絞って書かれているので、わかりやすく面白く読めた。 取り上げられているテキストは、「党生活者」、「芥川龍之介の死」、「高村光太郎」、「転向論」、「『四季』派の本質」、「自立の思想的拠点」と…

どうだ小林秀雄

鹿島茂『ドーダの人、小林秀雄』という本を読んだ。 小林秀雄というのは、「教祖の文学」と呼ばれ、昭和時代には文学の神様のような扱いを受けてきた。その一方、何を書いているのか分からない難解な文章でも有名な人で、にもかかわらず、高校の教科書や大学…

NHKスペシャル

神戸の震災から25年目の今日、北川景子が出演するドキュメンタリーがNHKで放送されたのを見た。 彼女はこれまで表立って震災体験について語っていなかったとのことで、番組の冒頭と中間部で自身の思いについてインタビューに答えていた。 番組のメインは…

妄想電波(10)

はい、こんばんは。いつものように全国ゼロ局ネットでお送りします、新年初の妄想電波になります。 昨年出版された『プリンス録音術』と『プリンスと日本』というプリンス関係の本を読んでいましたら、急にテンションが上がってきまして、個人的な思いを吐き…

「リスペクト アレサフランクリン伝記」より

音楽が始まる前、クリーヴランドは時間を取り、これはれっきとした礼拝なのだと信者たちに説明した。あなた方は今日、何よりもまず、生ける神を讃えるためにお集まりになったのです、と。 その晩、アレサの最初のソロがマーヴィン・ゲイの「Wholy Holy」だっ…

R-E-S-P-E-C-T

マーヴィンの伝記に続けて、デヴィッド・リッツが書いたアレサ・フランクリンの伝記『リスペクト』も読む。 デヴィッド・リッツの前書きによれば、彼女に取材して自叙伝(『From These Roots』)を書いたのだが、その本にはどうしても満足できなかった。なぜな…

マーヴィン・ゲイ伝記

今年は特にキツい1年になりそうな気がしますが宜しくお願いします。 マーヴィン・ゲイの伝記を英語版(キンドル)で読んだ後に、日本語版を買って読んでいるが、ところどころの誤訳が凄まじく(完全に文意が逆になっているものまである)、そっち(誤訳のチ…