War Is Over

 if you want it

西村賢太

A Born Stylist

週末は図書館で「本の雑誌」バックナンバーの「一私小説書きの日乗 這進の章」をコピーし、自宅でそれを打ち込む作業をしていた(全部ではなく抜粋)。 最後の日記は、今年の1月7日で終わっている。ちょうどそれが、藤澤清造の菩提寺西光寺での藤澤家代々…

憶測に次ぐ憶測(追記あり)

ゴキブリじみた一読者が死んだ作家に対するストーカーめいた詮索行為を続ける。 西村賢太は、「群像」2009年6月号に発表した小説「膿汁の流れ」の中で、つい最近まで世田谷区尾山台に本籍地があったと書いている。 彼の生まれは江戸川区だが、11歳の時に両親…

No Man's Literature Museum

購入。刊行に尽力された「本の雑誌」社杉江由次氏のコラムによると、連載元である「小説現代」の講談社では本にする予定はないと言われ、すぐさま単行本化することに決めたという。 そしてなんと、図書館に行き、掲載誌を全回分コピーすると、ご自分で一文字…

女地獄4

もはや単なる西村賢太ストーカーめいた粘着ブログになりつつあるが、 「一私小説書きの日乗」を何度も読んでいるうちに、あるキーワードが閃いた。 それは、 回転寿司。 何度も書いている通り、賢太は、約七年間、ある女性と半同棲生活を経てていた。 これは…

つれづれ

「コロナに感染した覚えがないのに」ある日突然、後遺症になった人についての記事がネットにあった。怖くて読む気になれないが、自分もそうなんじゃないかと思う時がある。目覚めが非常に悪くなったし、日中もぼんやりして脳の疲れを感じることが多い。だが…

女地獄(西村賢太)3

詮無き妄想を続けることとす。 前の記事で、2012年の正月には一緒に過ごす女性がいたかもしれない的なことを書いたが、これは誤りであった。 というのは、2012年3月16日(金)に「en-taxi」誌の企画でマツコ・デラックスと対談した際に、彼女を作ることは諦…

天狗

来週発売の西村賢太『誰もいない文学館』 www.webdoku.jp の予習として、国立国会図書館のデジタルライブラリーで 大坪砂男『閑雅な殺人』を開いて、 「天狗」という短編を読んでみたら、とんでもなかった。 この週末は、これでもうおなかいっぱいだ。

英光との出会い

西村賢太「やまいだれの歌」を読んでいる(再読)。 今朝はちょうど、貫多が田中英光全集第七巻と運命的な出会いを果たす場面だった。 よりにもよって、貫多と田中英光との出会いが、この全集第七巻だったというところに運命を感じずにはおれない(もっとも…

追悼・西村賢太(2)

「雨滴は続く」の最終回で、菱中という編集者から、 「こんなのは、藤沢清造という余り有名じゃない作家を持ち出してきて利用した、昔風の私小説の下手なパロディーに過ぎない、って言ってる人もいる」 との身も蓋もない指摘(「的外れの讒謗」)を受け、 平…

私のいない世界には私はいない

私小説に関してちょっと思ったことを書く。 よく高齢者などが、自費出版で「我が人生を振り返る」みたいな自伝を出版するケースが多いと聞く。 そういうのは、ほとんどが「私の人生を知ってほしい」とか「私の生きざまを伝えたい」という動機からだと思う。 …

追悼・西村賢太

『季刊文科』第88号をネットで購入し、勝又浩「追悼・西村賢太」を読んだ。 西村賢太の「芝公園六角堂跡」が文庫化される際に、西村は解説を勝又浩に書いてほしい、と指名してきたという。 ところが、勝又の書いた解説を読んで、西村は、これを採用せず、自…

私小説家―自力型と他力型

山本健吉「十二の肖像画」(講談社、1963)の上林暁を論じた章の中に、私小説家の根本の発想に、自力型と他力型の相違があると書かれている。倫理型と信仰型といってもいい。破滅派と呼ばれる作家たちは、多く他力型である。破滅することに、自分の救いを賭…

西村賢太の〈女地獄〉(2)

<一私小説書きの日乗シリーズ>から<買淫>を抽出するというアホな作業をしてわかったこと。 公開日記を開始した2011年4月から翌12年7月までは、およそ月1~2回のペースで<>に赴いているのだが、2012年8月から2013年2月までは一回もなし。2012年8月に…

北町貫多 甘ったれ迷言集

「文學界」で木村綾子さんが北町貫多の「罵倒アンソロジー」を作っていたので、もう一つの側面である「根が甘ったれ体質にできてる」貫多の名言集を選びたくなった。 DV癖と甘ったれ癖はどうも表裏一体のようで、こっちの名言集は、これ単独で見るよりも、「…

西村賢太の(芥川賞以後の)〈女地獄〉について

西村賢太の「(芥川賞以後の)女関係」について、<日乗シリーズ>を分析してみようと熱中し始めたのだが、「葛山久子の手記」を読んで、何だか真面目に考察するのが馬鹿馬鹿しくなってきたので(その理由については、改めて書く)、もう投げやりに、思いつ…

My Dear

『文學界』七月号「特集西村賢太 私小説になった男」購める。 この号の目玉は、なんといっても、「雨滴は続く」の登場人物のモデル葛山久子による手記「親愛なる西村さんへ」。 こんなに読みたくなる記事はそうはないよ。というわけで開店と同時に本屋に走る…

自滅覚悟の一踊り

とりあえず西村賢太の<一私小説書きの日乗>シリーズの既刊本の中から、引っかかる個所をすべて抜き出すところから始め、2019年11月まで来た。だが一、二度読んだだけでは素通りした箇所があるかもしれないので、眼光紙背に徹す為には、最低でも五回は回さ…

日乗

週末は、西村賢太「一私小説書きの日乗」シリーズの分析作業に没頭。 テーマは、死の前年に書かれた中編「蝙蝠か燕か」の中で明かされた女性の痕跡を、日記の中から、暗号を解読するかのようにしてあぶり出すこと。 根が覗き見体質にできてる自分は、こうい…

大きなクジラ

『疒の歌』の解説だけ先に読む。 映画「苦役列車」の監督・山下敦弘が書いている。西村賢太の死後に書かれたもの。 「苦役列車」はいうまでもなく芥川賞受賞作で、西村の最も有名な作品である。 しかし前にも書いたように、ぼくはこの小説をあまり高く評価し…

祀り

西村賢太が終わらない。終わらせてくれない。 今日発売の「ヤマイダレの歌」(新潮文庫)を買う。 その前に読まないといけないものが色々ある。 「日乗」シリーズの詳細な分析も自分のためのメモとしてこれからやるつもり。 本格的な西村賢太研究書が出る前…

Raindrops keep fallin'

西村賢太「雨滴は続く」一度目読了。 読み終えるのが勿体ないと思いつつ、頁を繰る手が止められなかった。 これが西村賢太文学の到達点、と思った。 北町貫多(西村賢太)が2004年(平成16年)7月に同人「煉瓦」に発表した小説「けがれなき酒のへど」が同年1…

憤怒の章

何だか西村賢太のためのブログみたいになってきたが、今日は『一私小説書きの日乗 憤怒の章 』(角川文庫)を買った。 ページ数は第一巻の方が多いのに、そっちは660円(税別)でこっちは1000円以上するのはどうしてだろう。何の便乗値上げだ。もう賢太のた…

Tears

今日は一日出張で疲れた。体力の衰えを感じる。それでもまだまがりなりにも半日歩き回れるだけマシだろう。あと十年もしたらどうなるのか。 出張先で西村賢太『一私小説書きの日乗』(角川文庫)買う。 昨日は移動中に読むために『形影相弔・歪んだ忌日』(…

『雨滴は続く』

5月25日発売と予告されていた西村賢太の新刊『雨滴は続く』が、都心の書店ではもう並んでいるとの情報を文藝春秋社のツイッターで目にし、早速仕事帰りに新宿の紀伊國屋書店で購める。 昨日の文庫といい、いいタイミングで賢太の本が手に入るのはうれしい。 …

賢太か鶴か

図書館で借りてきた「文學界」2021年11月号掲載の西村賢太「蝙蝠か燕か」を読み返す。 ユニクロにブリーフと靴下を買いに行った帰りに駅前の本屋に寄り、西村賢太「どうで死ぬ身の一踊り」(角川文庫)が復刊されていたのを見つけたので買う。 過去に何度か…

国会図書館革命

「本の雑誌」西村賢太追悼号の「北町貫多クロニクル」を見ながら、以前自分で作った時系列メモを修正する。手元にすべての本がないので、よく分からないところはそのままにする。 砂川文次「小隊」(文春文庫)を読了。三篇収録されているが、発表順に「市街…

日乗鬼語

近所の図書館で「風来鬼語 西村賢太対談集3」と「一私小説書きの日乗 不屈の章」を借りる。 藤野可織との対談の中で、「暗渠の宿」の中で三島賞がらみで現存のある老大家をディスってる部分があって、その原稿を見た矢野編集長に削除するよう示唆されたが、…

文学とは縋りつくもの

「本の雑誌」2022年6月号に掲載されている「藤澤清造全集内容見本」を眺めて、改めて賢太の藤沢清造に対する尋常ならざる思いの深さに圧倒された。 内容見本に寄せた文章(「藤澤清造全集』編集にあたって)の中で「この全集さえ完結出来たら、もう、あとは…

結句、西村賢太

「本の雑誌」2022年6月号は、「特集 結句、西村賢太」という永久保存版。 ツイッターで発売を知り、本屋に走る。焦りすぎて売り場で少し迷って購入。分厚い。いつもの倍くらいページが多い気がする。 冒頭に「藤澤清造全集内容見本全掲載」がきて、いきなり…

誰もいない文学館

街で青い護送車を見かけるたびに、賢太の「春は青いバスに乗って」というリリカルな短編を思い出す。 賢太が「小説現代」に連載した<誰もいない文学館>というエッセイは単行本化されていない。作家としてだけでなく古本コレクターであり読者としても超一流…