INSTANT KARMA

We All Shine On

私たちが好きだったこと

1997年の映画『私たちが好きだったこと』を見た。

10年前の作品が、ずいぶん古臭いなあ、と時代を感じてしまった。

夏川結衣は、不安神経症のOL。後に優秀な頭脳を生かして、ルームメイトの援助で大学に進学する。いかにも線の細い繊細な女の子をなりきって演じていた。かわいらしいセリフ回しが新鮮だった。

ストーリー自体は、なんてことない。男たちと女たちが出会って、別れる。身も蓋もないことをいえば、それだけの映画。

夏川さんの役は、ズルイといえばズルイ。でも世の中のためにはこの方がよかったんじゃないか(見てない人にはなんのこっちゃわからなくてすみません)。

でも「無償の愛」という言い方は、ちょっと違うと思う。

結局、男が自分で言っていたとおり、女を十分に愛せなかっただけなのだ、と思う。あるいは、女が好きになった男への嫉妬を押えきることができなかったのだ。だって、女は別れたがってはいなかったじゃないか。

最後の、岸谷とのカラミは、あそこまで本当に必要だったのかな?

夏川さんは、不必要に露出する傾向があるからなあ・・・

まさか監督が愛子の淫乱さを強調したかったとか?

でも、好きな女優ではまったく欲情できません。

この映画の夏川さん評として、次の表現がすごく納得できたので、あるブログから転載させていただく。

愛子という女性を演じている夏川結衣の存在感が際だっている。夏川結衣は、表面的には「いい人」に見えるけど、その向こうに何か別のものを抱えている、そんな役どころがうまいですね。見た目は清純な感じだけど、心の奥深くに何かを秘めている芯の強さを感じる。そんな彼女の雰囲気が愛子という役にぴったりハマっていた。