結果的に,オリジナル・アルバムとしてマイケルの遺作となってしまった『インヴィンシブル』。
発表は2001年だから,もう10年近く前の作品ということになる。
僕はリアルタイムでこの作品はまったく聴かなかった。
マイケルの没後に改めて聴いてみて,素晴らしい作品だと思った。
90年代以降のマイケルジャクソンは,一般的に言えば低迷の時期と言われている。
実際のところ,80年代に毎週「ベストヒットUSA」でビルボードチャートをチェックしていた洋楽少年の僕は,90年代に入ってからは,ヒットチャートはまったくどうでもよくなって,いわゆる売れ線の音から遠ざかっていた。
90年代になると,日本のロックが質量ともに非常に充実してきたために,洋楽を追いかける必要がなくなったこともその理由である。
僕にとってのマイケルジャクソンは,異常なまでに期待値の高かった『BAD』(それだけに失望も大きかった)をもって終止符を打ち,それ以後は特に注目すべきアーチストではなくなっていた。
『デンジャラス』や『ヒストリー』も一応は買って聞いたが,たいして感心しなかった。今になって聞き返すとまた違った感想もあるので,それについては別に書く。
話が逸れたが,この『インヴィンシブル』は素晴らしい。『オフ・ザ・ウォール』にも匹敵する久々の傑作ではないかと思う。
つづく。