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愛のむきだし

今年の邦画で最も評判の高い愛のむきだしのDVDを借りてようやく見た。

以下ネタバレ含む。といってもネタバレを気にするような作品でもないか。

4時間に及ぶ長大作にもかかわらず,その長さをまるで感じさせない展開。

感心したのは,「この映画は実話に基づく」と最初に字幕が出るだけのことはあって,監督(園子温)が宗教を薄っぺらに捉えているのではないことが伝わってきた,あの浜辺での二人の長回しシーン。

劇場で見たらきっと大号泣してしまっただろう。

ラストはお約束感が拭えなかったにせよ,劇的な大団円にやはり号泣。

なんで安藤サクラが死ぬの? とか,主人公あれだけ人を殺しておいてあんな処置ありえないだろ,とかツッコミどころは満載だが,全体から溢れるあの迫力で相殺された。

ヒロインの満島ひかりは,子どもの一緒に見ていた「ウルトラマンマックス」の「サイボーグ女性」という印象が強かったのだけど,あのツンデレにはやられた。そして捨て身の迫力。あらゆる要素を含んだこの映画は,結局は彼女のための映画だった。

いまや本格映画は完全に韓国映画にお株を奪われている中,チープなB級感も含めて,今の邦画がやれるところまでやった作品といえるのではないか。