INSTANT KARMA

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羽生善治

将棋を知らない人でも、羽生善治という人の名前くらいは聞いたことがあるのではないか。

10代のころから将棋界史上最大の天才と謳われ、その期待通り、7冠を達成するなど前人未踏の強さをいかんなく発揮してきた。

40歳になった今もその強さはまったく健在である。

先週の名人戦では最終局でライバルの森内九段に敗れ、名人位を失うことになったが、昨日の棋聖戦では難解な将棋を見事に勝ち切った。

羽生(前)名人の世代は、「羽生世代」といわれ、先述の森内名人はじめ、羽生氏以外にも才能あふれる強い棋士がグループを形成している。

僕自身が羽生世代でもあり、彼らには強いシンパシーを感じている。

このへんについてはいろいろ書きたいこともあるのだけど、今日の記事は、最近の羽生氏の注目すべき動きについてである。

羽生氏は、先週名人戦最終局に敗れたその夜、ある人物に直接電話で結果を報告している。

最も重要な大一番の直後に、ただでさえ死力を尽くした末の敗北の後で尋常な精神状態ではないところ、家族でもない人にわざわざ電話で報告するというのはよほどのことだろうと思う。

その人の名を、桜井章一という。

つづく