『ザ・ビートルズ解散の真実』という本は読んでいて中々辛い。
4人がバラバラになって「ザ・ビートルズ」ではなくなり、アレン・クラインをはじめ胡散臭いビジネスマンたちの餌食になって、金銭や権利関係を巡って法廷闘争に明け暮れるさまが詳細に描かれている。
しかし、この4人は解散してからも決して顔を合わせていないわけではなく、ちょくちょく行き来している。4人全員が揃うことはなかったが、それぞれのソロ作品で一緒にレコーディングもしている。
この4人の間には、傍から見ているだけではわからない、兄弟の絆にも似たものがあったんだろうなと思う。だからビジネス面では揉めたが、お互いの人格は最後まで尊重し合っていた。
「ポールの悪口を言っていいのは俺だけだ」というジョンの泣かせる言葉がある。
ポールも「ずっとジョンに認めてもらうために(音楽を)やっていた」と言っている。
解散したのは悲劇だが、再結成という喜劇は起こらなくてむしろよかったと思っている。