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ある女優の告白(9)

アントニークレオパトラ』はシェイクスピア晩年の史劇の最高傑作と言われています。

ロミオとジュリエット』が若者たちの純愛を描いた悲劇だとすれば、『アントニークレオパトラ』は酸いも甘いも味わい尽くした熟年カップルの世界史的スケールの悲劇と言えましょう。

わたしの演じるクレオパトラは、最愛のひとアントニーを喪って己の運命を悟り、最後に毒蛇に乳房を吸わせ息絶えるというストーリーでした。

わたしは舞台の上で本当に自分に毒を盛って死ぬつもりでした。

それはわたしの女優人生にとって最高のフィナーレとなることでしょう。

天国ではわたしの最愛のひと、アントニウスが待ってくれているのですから、わたしには死を恐れる理由など何もないのです。

死後に愛を持たない人は、生きている間に空気を吸えない人に似ています。キリストが「律法学者よりも遊女たちの方が天国に近い」と言ったのはそのことだったのです。

以下の解説は、単純にお金儲けがしたい人のためのものではないことをあらかじめ断っておきます。お金のために働くのではなく、自分のために働くことを目指している人、つまり、すでにやりたいことがハッキリしていて、それを追求するための自由を手に入れたいという人のための指南書です。

自由な生活とは何でしょうか?

それは、少なくとも以下の質問に肯定的な答えを出せるような生活のことであると考えます。

□自分が望むときに、自由に、無制限に仕事を休めるか?

□自分の好きな人とだけ付き合って、嫌いな人と全く接することなく毎日を暮らせるか?

□自分の好きなことだけして毎日暮らせるか?

□ろくに働かないで、自分が望んだときに自由に大金を使えるか?

□心に思っただけで自分の願望を達成することができるか?

このうち、2つ以上の肯定的な答えを出せれば、それはミラーニューロン的な生活に近いといえましょう。そして、5つ全てに肯定的な答えが出せれば、まごうかたなきミラーニューロンの化身です。

ミラーニューロンの目的は、大いなる自由を手に入れることです。

精神の自由を求めることにより、現実の生活でも自由度が高まるようになります。

経済の面でも、時間・行動の面でも自由を満喫できるようになります。

ミラーニューロンの立場からみた金銭的願望実現メソッドには、3つの発想の根幹をなす原則があります。

1.元手を使わない

2.あんまり働かない

3.人と組んでやらない

順番に見ていくと

1.元手を使わない

自身の元手を使うということは、ミラーニューロンの立場からいうと、外に向かって巨大なの流れの通路をつくってしまうことを意味します。

ただ、元手の必要な商売もあるわけで、ここで言いたいことは「儲けたければ元手などを極力かけずに商売する努力をしろ」ということです。

2.あんまり働かない

なぜか、あくせく働いてもお金がちっとも入ってこないということがあります。

これはミラーニューロンの立場からいうと、方向性が間違っている結果。

間違った方向に向かってどんなに努力しても、結果は顕在化しません。

すなわちお金は入ってきません。

ミラーニューロンから見ると、あまり働かない、というより遊んでいるといったほうがいいような人のほうが、アクセク働いている人よりはるかに儲けられて当然なのです。

つまり、時間に縛られてアクセク働いていると、それ自体(つまり、アクセク働くこと)がお金儲けのように錯覚してしまうのです。

ミラーニューロンの原則からいうと、遊びないし好きなことをしていて、それがそのままお金儲けにつながらないようだと、いくら忙しく働いても、ほとんど収入は増えません。

ただし、馬車馬のように働くことがダメなわけでもありません。馬車馬のように働くことの効果は、自分が今やっている仕事よりもグレードの高い―普通にいったらより収入の多い段階に自分を引き上げる働きをするのです。

以上をまとめると

1.馬車馬のごとく忙しく働くのは、お金がよりドカンと入ってくる地位、あるいは仕事につきたいと思ったとき、つまり、今より一歩仕事のグレードを高めたいと思ったときのみに限るべきです。

2.高い地位、あるいは効率のいい仕事についたら、今度は、一転してあまり働かないで、とにかくノンベンダラリと暮らす―というより、自由に使える時間をできるだけたくさんもつようにすることです。ノンベンダラリと暮らすことを、やましいこととか、何かに対して罪を犯しているなどとは絶対に考えないこと。

3.人と組んでやらない

なぜか、人と組んではお金儲けはできません。

ミラーニューロンの立場からいうと、合う人というのは、自分と同調しやすいミラーニューロンをもっています。したがって、スカンピン同士が集まると、スカンピン同士のミラーニューロンが互いに同調しあい、さらに相乗効果を起こして強力になってしまうのです。つまり、お金儲けなど不可能。

仲間同士で事業を始めるということは、自分一人で事業をやりぬく自信がないわけですから、そこで、仲間の力を借りようと集団を組む。こういう連中が集まったって、お互いに自分の仕事を必死にやるわけがないので、当然業績はあがりません。

ただし、次の3つの条件を守れば、仲間と組んでもお金儲けに成功することは可能です。

 1.構成員を平等にしない。

   職務に応じて収入の比率を定める。

   要は会社組織のようにしてしまうこと。

 2.似た境遇の者と組まない。

   多少気が合わなくても、お金に縁のある人間と組むべき。

 3.組織を利用する。

   組織が好調なうちに、自分だけの新たな組織づくりを始める。

   組織を離れても仕事がくるように顧客との関係をつくりあげておく。

そして、最も重要なことは、お金を儲けたら、絶対に人に吹聴してはならないということ。仮に、うっかり口をすべらせても、絶対に具体的な資産額をいわないこと。いってしまったら最後、お金目当ての友人、知人に付きまとわれる羽目になります。お金儲けと友人は両立しがたいのです。

次回から、具体的な実践方法に入ります。