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バンコク・ナイツ

テアトル新宿で上映中の映画『バンコク・ナイツ』を観てきた。

休日ということもあってか席はほとんど埋まっていた。直前に当日券を購入して幸運にも空いていたいい位置の席で見れた。

映画についての予備知識はほとんどなく、(1)映画「サウダーヂ」の監督作品であること(「サウダーヂ」が高評価であると聞いたことはあるが未見)、(2)ほぼ全編タイで撮影されたこと、(3)菊地成孔が出資していること(ラジオで話していた)、がほとんどすべての事前情報だった。

他の人の感想や映画サイトの感想・レビューなどに一切触れていない今の時点での率直な感想は、「特に心に訴えることのない凡作。被写体として魅力的なタイの都会(バンコク)と田舎(イサーン地方)はそれなりに美しく撮れていたが、同じタイの風景を撮影したアピチャッポン・ウィラーセタクン監督の作品とは映像(そして挿入される音楽の印象深さ)の水準が比べ物にならない(比べるのは酷な気はするが、このところ「光りの墓」と「世紀の光」のブルーレイをヘビーローテーション中なので仕方がない)。実験的な作りもかえって分かりづらい印象につながっており作品全体としてはどちらかといえば失敗している(特に終盤の場面転換は強引すぎる気がした)」というもの。

菊地成孔は館内に貼ってあった監督との対談記事の中で「長いMVを見ているような感じ」と述べていたが(断面的に読んだだけで文脈は不明)、そういう見方をするにしても3時間は長すぎた。

とはいっても、2千円という割高な料金に見合わない金と時間の無駄と言えるほどの駄作ではなく、「まあ可もなく不可もない映画を見たなあ」という感想で、積極的に何かを言いたくなる作品ではない。

そして、アピチャッポン作品ですら検閲を受けて修正要求されるタイの国情では、この作品がタイ国内で正式に紹介されることはあり得ないだろうなあ、と思った。

それから、日本人であることが恥ずかしくなる、などというストレートな怒りを持つには至らないが、映画館に置いてあった教育里親の奨学金を検討してみようかなという気にはさせられた。

以上が現時点の感想。これからいろいろ他の人の感想やレビューを読んでみて、自分の見方が至らなかったと感じたり考えが変わったりしたら追記という形で修正していこうと思う。

あ、そういえばチラシが置いてあった4月に公開になるこの映画(橋本愛主演)は見たいなあと思った。

井の頭公園の映画「パークス」