War Is Over

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団鬼六伝記「赦す人」

村山聖の伝記の作者大崎善生による小池重明の伝記の作者団鬼六の伝記。

将棋に関する記述は「小池重明伝」の引き写しが多く、新たな発見はあまりなかった。

生前に読みたいという団鬼六側の希望もあり、時間的な制約の中で仕方がなかったのかもしれないが、もっと取材すれば、底知れない凄味のあるエピソードはいくらでも盛りこめただろう。

たとえば、彼が三崎で中学校教師をしていた頃のエピソードなど、当時の生徒や教師に聞ければとても興味深かったろうと思うのは、ウィトゲンシュタインの伝記で地方の学校教師をしていた頃のエピソードがとても面白かったからだと思う。

ちょっと批判的な感想から入ってしまったが、大崎善生の作家としての団鬼六とのかかわりや愛情に満ちた視点など、全体的には読んでいて癒される感じで、読後感はとてもよかった。