INSTANT KARMA

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白昼夢ラジオまたは妄想電波 第3回 テーマ「革命」

今日の一曲目: Break On Through (To The Other Side) / The Doors

皆様、こんばんは。ご機嫌いかがでしょうか?

11月3日は文化の日。文化と言えば文化大革命。ということで、本日のテーマは「革命」です。

なんだか物騒に聞こえるかもしれませんが、この番組には放送コードは一切存在しませんので、好きなことを言いますね。

この、ドアーズの「ブレイク・オン・スルー」という曲は、彼らのファースト・アルバムの一曲目です。タイトルを文字通り訳せば「向こう側に突き抜けろ」ということで、ある意味では革命のテーマ・ソングとも言えますね。

60年代のヒッピー・ムーブメントは、精神世界かぶれの若者たちが、ドラッグやフリーセックスを謳歌しながら、物質文明からの離脱、つまり精神的な革命を夢見て、それを実践しようとした一種の革命運動と言えるのではないでしょうか。

ドアーズは、フラワー・ムーブメント発祥の地サンフランシスコを地元にしたバンドで、リーダーだったジム・モリソンは、ヒッピー世代の代表格みたいな見られ方をすることが多いのですが、彼自身は能天気な「ラブ・アンド・ピース」に対してはけっこうシニカルな視点を持っていたように思います。

次もドアーズの曲をかけましょう。「スパイ」という曲です。革命にはスパイは付きものですよね。

 

今日の2曲目:The Spy / The Doors

 

次は、僕の大好きなK−POPです。 IU(アイユー)というとても優れたミュージシャンがいます。韓国人なら誰でも知っている存在です。まだ若く、可愛くてアイドル的な人気もあって、女優としての評価も高い、才能豊かとしか言いようのない人ですね。 もうすぐ新作が出るようで、とても楽しみですが、今日お聞きいただくのは、彼女が作曲した「金曜日に会いましょう」という曲です。金曜日に秘密基地に集合して革命謀議をしましょうという曲です(嘘です)。金曜日の夜に聞くにはピッタリの曲でございます。

 

今日の3曲目:金曜日に会いましょう / IU

 

革命がらみで言うと、前回紹介したビッグバンのG−ドラゴンのソロ作品に「クーデター」というアルバムがあります。革命とクーデターの違いは、一般的には体制転覆か体制内権力移動かということです。支配されている側が、支配者を打ち倒すのが革命で、支配者の中で権力が武力によって交代するのがクーデターということになります。

 

今日の4曲目: COUP D'E TAT / G-Dragon

僕は個人的に、天皇がいる限り日本では革命は起こりえないと思っているんですね。明治維新はクーデターでしたし、彼らは天皇を幕府に代わる権威として祭り上げて、自らの正当性を主張しました。日本で可能なのは天皇の下でのクーデターでしかありえず、226事件の将校たちが目指したものはそれですよね。

昔、深沢七郎という作家が、日本での革命を『風流夢譚』という小説に書いたら、えらい騒ぎになったことがありました。当時は今よりもはるかに言論がリベラルで、左翼革命が本気で心配されるくらいの情勢でした。それでも本当の革命の話はタブーだったのです。

今の日本は、保守的で全体主義的な雰囲気の中での「忖度」や、モラル・ハンターたちによるSNS上の凶暴な言葉狩りなどのせいで、かつてないほど表現活動が不自由な状況にあると思います。そのことは、表現の不自由展なんかわざわざやらなくても明らかでしょう。

 

今日の5曲目:革命はテレビには映らない / Shingo02

確かに革命というのはテレビには映りません。今香港で起こっていることも、フランスで黄色いシャツを着た人たちがやっていることも、テレビに映っている部分は革命ではないのです。

 

今日の6曲目:革命/ JAZZ DOMMUNISTERS

菊地成孔による、無数にあるユニットの中の一つ、ジャズ・ドミュニスターズの曲でした。ちなみに彼は、ダブ・セクステットというモダンジャズ・バンドもやっていて、そのアルバムに「The revolution will not be computerized」というタイトルの作品があります。

革命はコンピューター化できない。その通りですね。でも将来もしかしたらAIに革命を起こされるかもしれませんね。人類の存在は地球にとって有害である、とか言って。

残念ながら、もうお時間が来てしまいました。私がこうして自分の妄想レディオ・ショーを書いているのは、昔ミュージシャンの佐野元春さんがやっていた「モトハル・レディオ・ショー」に憧れていたからなんですね。 革命ついでに言っちゃえば、僕はずっと渡辺美里さんの「マイ・レボリューション」という曲は佐野元春が書いたと思っていたんですけど、違いましたね。 次の曲は、ゴッドファーザー、ファンクの帝王ジェームス・ブラウン「レボリューション・オブ・ザ・マインド(精神の革命)」というライブ・アルバムから、まるでアジ演説のような曲です。

 

今日の7曲目:Get Up, Get Into It, Get Involved / James Brown

 

最後は、ザ・ビートルズによる革命ソングでお別れです。ビートルズには革命というタイトルの曲が二つありますが、今日は静かな方の革命です。次回お会いする時までに世界革命が成就することを夢見つつ、お休みなさい。

 

今日の8曲目:Revolution No.9 / The Beatles