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北川景子を見たかっただけなのに

アマゾンプライムビデオというのを初めて使おうと思って、北川景子主演の『スマホを落としただけなのに』(2018年)というのを見てみた。

途中までは中々面白かったのだが、途中から「なんだこの映画は?サスペンスなの?コメディなの?観客に対する挑発?」という疑問が頭から離れなくなり、後半はほとんど飛ばしまくりながら見終え、ヤフー映画レビューを読みながら苦笑。

北川景子の演技を酷評している人もいたが、これはどう見てもキャストじゃなくて脚本の責任でしょう。

 

そのほかにも何本か見ようとしてみたがちょっとどうしようもなくて、もっとまともなのはないの?と迷った挙句、北川景子主演の『ディア・フレンズ』というのに手を出した。

これはよかった。出だしから引き込まれた。やっぱり北川景子はこういうのが似合う。

色々な意味でよかったのだが、いくつかの意味はここには書けない。

途中のシーンがあの『世界の中心で愛を叫ぶ』と被るようになってからは、まあ、ある意味紋切り型の展開になることが予想できたので、普通に泣きながら見た。

この作品については、当時の北川景子がこんな言葉を残している。

(主人公の高橋)リナとは…

両親にも学校の先生にも反抗し、世の中には何の期待もしていない。

生きがいは派手なメイクやファッションで着飾ること、クラブ通い、男遊び、渋谷でたむろすること。

人を信じることは裏切られることだと思う。

「友達は利用するもの」だと思う。

…そんな女の子です。

そんな家にも学校にも居場所がなくて、渋谷で適当にダベっている野良猫のような女子高生が突然に病魔に襲われ、本仮屋ユイカちゃん演じるマキという友達や、病気と闘う幼い女の子に出会って少しずつ変わっていく、というストーリーです。

実は病気になる前のリナは、ちょうど私が17、18だった頃に考え方がよく似ていて、台本をいただいた時は驚きました。

 

私も高校の頃は、「大人」と区分される人間に頭ごなしでモノを言われるのが耐えられなかったし、友達なんて所詮他人で、頼るもんじゃないって思ってました。

人には頼らない、他人は信じない、この世の中は腐ってる、自分はいつだって死ねる。

そういう風に思っている17のころの私みたいな子たちが、今もたくさんいると思います。

私はもう20になって、大人の仲間入りをして、人は一人では生きていけないもの、最初から閉ざさないで自分から開くこと、信じることが大切。

そう考えられるようになっています。

今、リアルタイムにこの世の中に嫌気が差している・大人たちに腹が立っている・友達なんてキレイごとでしかない・寂しさの穴や訳のわからないイライラを埋めることが出来るのは男の体温だけだと思っている子、もしくはもうそろそろ死んでしまおうかと思っている子たちにぜひ見てもらいたい映画です。

台本を読んで、世の中まだそんな捨てたもんじゃないって私は再確認しました。

今死にたい子たちは本当にしんどいだろうし、気持ちはすごくわかる。

だから無理に止めないし、リナみたいにいきなり変われとは強要しません。

でも時間がたったらわかる事ってあると思うんです、本当に。

生きてればしんどいけど、でもたまに楽しいこともある。

後から「なんであんなに悩んでたんだろう」って思うときがきっと来ます。

理由もなく病気で命を奪われる人もいます。

今しんどい子たちにも、できれば死ぬ勇気より、生きる勇気を選んでほしいです。

本当にこのとおりの映画だと思った。