INSTANT KARMA

We All Shine On

私の東京物語(5)

第5話

「ダイエットしなきゃ」と言いながら何もせずダラダラ過ごしていた中学一年生の私、その頃は私の中で菓子パンブームはとうに過ぎ去り、新たなピザまんブームが到来していたので、暇さえあればピザまんを口に入れていました。暇がなくても口に入れていました。ピザまん憎んで自分を憎まず。ピザまんなんておいしいものがあるからいけないんだ。そんな感じでブクブク太って、ついたあだ名は「白ブタ」でした。まあいいやダイエットなんてしなくても大人になりゃ痩せる、なんの根拠もないのに楽観的に考えていました。 そしてそこから一年しか大人になっていない中学二年生になった時、なんと本当に奇跡が起きたのです。いきなり身長が伸びたのです。それまでは背の順で一番先頭だった私が突然一番後ろになりました。つまり痩せたのではなく体積は変わらず引き伸ばされただけです。あだ名は「白ブタ」から「アメーバ」に変わりました(どっちもどっちだけど)。

鳥居さんは確かに背が高い。170センチあるとか。 しかし「アメーバ」って意味不明なあだ名だなぁ。

その日から私は変わりました。ファッションに興味を持ちだしたのです。姉は休日になるとしょっちゅう原宿に買い物へ行く原宿依存人間になっていたので、私もついて行くことにしました。それこそ最初は入るようになった姉のおさがりばかり着ていましたが、高校一年生になる頃には自分で選んだ服を買えるまでになっていました。読者モデルをやっていた姉の隣にいたからかついでにと一緒に雑誌のスナップにも載ったこともあります。

ベクトルは違えど、お姉さんと同じくファッションセンスは天性のものがあったってことでしょう。

みんなと一緒じゃない自分だけのおしゃれがしたい、と思うようになったのはさまざまな個性を受け入れてくれる原宿という街のおかげかもしれません。

なるほど。でも、たぶん違うと思う。。。