『静温な日々』小島信夫
『暮坂』小島信夫
『うるわしき日々』小島信夫
『こよなく愛した』小島信夫
『残光』小島信夫
『暮坂』と『各務原・名古屋・国立』は古本屋で各八八〇円で買う。あとは図書館。
『小説修業』は小島と保坂和志の往復書簡をまとめたもの。文庫本には保坂和志による追悼文も収められている。
『残光』から読み始めたのだが、第一章の凄さに圧倒される。第二章と第三章は過去の自作への引用と言及が多く、大江健三郎と同じやり方だな、と思うが、自分があと四十年後に小説を書くとしたら(そもそも生きていたら)、と考えたら、こういう手法を非難するつもりにはなれない。
とにかく第一章が凄すぎる。『抱擁家族』を超えているのではないか、と思った。
『こよなく愛した』は短編集で、八編収められている。一通り読んでみたがどれも今市。
『静温な日々』は『うるわしき日々』の十年前。まだ息子はアル中で入院していないし、後妻はまだ痴呆症が出ていない。僕はこの二編を水声社の『長編集成』で読んだのだが、小島夫妻と親しく付き合っていた作家・中村邦生の解説が興味深かった。
『暮坂』は単行本で、以下の『群像』各号に収録された短編がまとめられたもの。
「羽衣」(1992年8月号)
「殺祖」(1992年11月号)
「自娯」(1993年2月号)
「鴛鴦」(1993年5月号)
「蓬莱」(1993年8月号)
「聖骨」(1993年11月号)
「暮坂」(1994年2月号・5月号『承前』改題)
「野晒」(1994年8月号)
これらについては改めて感想を書きたい。
これとは別に講談社文芸文庫の『月光・暮坂』も電子書籍で読んでいる。
『各務原・名古屋・国立』は未読。これから読むのが楽しみ。