今は千葉雅也の『アメリカ紀行』を読んでいる。
2017年10月から2018年1月まで四カ月間ライシャワー研究所の招きでアメリカ(ボストン、ニューヨークその他)に滞在したときの記録。
当時は立命館の教授でいくつもベストセラーになるような本を出して既にその世界では著名な若手学者であった。
この四カ月の間にもミュンヘンの学会に出たり活発に活動している。
この本の中でもゲイであることは明言していて『デッドライン』につながる小説のようなテイストもある。あっという間に読み終わってしまいそうなので淋しい。
佐伯一麦『ノルゲ』は何カ月経っても読み終わる気配がないのに。 千葉雅也の本業である現代思想そのものには興味はないのだが、彼の文章、その文体と書き方に興味がある。もっと広く言えば物の見方、日常の細かい部分を書く時の目線に新鮮なものを感じる。何が新鮮なのかといわれるとまだはっきりとはしないのだが。