松本清張『昭和史発掘』の二・二六事件から五井昌久氏の語る磯部と三島由紀夫の話から工藤美代子が語る三島と川端の因縁話まで彷徨う。磯部の怨霊は二十一世紀の今もまだ成仏していないのだろうか。同じような想念を持つ人間がこの世にいる以上は存在し続けるのであろう。昭和、平成、令和の世になり、次の天皇は誰になるのか。
1939-1980と1980-2021が同じ年月（四十一年間）ということを信じられるだろうか、という書き込みがツイッターに流れてきた。
確かに、一九八〇年から現在までは地続きという感じがある。象徴的なのが、BIG3（タモリたけしさんま）がその間ずっと現役でテレビメディアを支配しているという事実である。バブル崩壊からこっち、日本社会は何ら根本的な変化を経ていない。徐々に真綿で首を絞められるような下降線をゆっくりと下り続けているだけだ。そしてそれはそのまま自分自身の生涯と重なっている。
