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誰もいない文学館

街で青い護送車を見かけるたびに、賢太の「春は青いバスに乗って」というリリカルな短編を思い出す。

 

賢太が「小説現代」に連載した<誰もいない文学館>というエッセイは単行本化されていない。作家としてだけでなく古本コレクターであり読者としても超一流であった賢太の思いの籠ったこれらの文章を、ぜひ書籍化してほしい。

取り上げられている本は;

呉承恩 田中英光西遊記

朝山蜻一『キャバレー殺人事件』

大木雄二『童話を書いて四十年』

村山槐多『槐多画集』

倉田啓明『地獄に墜ちし人』

田畑修一郎『石ころ路』

宇留野元一『樹海』

大坪砂男『閑雅な殺人』

久鬼高治『北十間川夜話』

横川巴人『夢 横川巴人作品集』

尾形亀之助『雨になる朝』

川村花菱『川村花菱脚本集』

尾崎一雄『子供漫談』

城昌幸『みすてりい』

八木義徳『美しき晩年のために』

藤森淳三『文壇は動く』

『甘棠集』(佐々木味津三 追憶文集)

相馬泰三『鹿子木夫人』

松永延造『時頼と横笛』

武田武彦『踊子殺人事件』

島田清次郎ほか『晶玉集』

上野成子『鹿鳴草』

岩崎英重『坂本中岡両先生遭難顚末』

読んでみたい本ばかりではないか。賢太の解説も勿論。