INSTANT KARMA

We All Shine On

NFT Tobis

ちょっと前にマドンナのNFTアート(女性器から樹が生えたり蝶々が出てくるやつ)が話題になっていたが、特に下品とも過激だとも思わない。普通にいい作品だと思う。そもそもNFTというのがよく分からない。デジタルデータをコピペできないように制限をかけて資産価値を高めようとする資本主義リアリズムの必然的な発展形態の一つというだけの話ではないのか。マルクスの予言した、資本主義そのものを破綻させる大恐慌はいつになったら起こるのか。結句起こらないのか。いいかげんはっきりしてほしい。

十菱麟という、精神世界の暴れん坊みたいな立ち位置の人の本を気の迷いでkindleで買って読んでしまう。この人は、西村賢太の小説「雨滴は続く」にも出てくる作家・十菱愛彦の息子である。十菱愛彦は、戦前は風俗小説を書いて発禁処分を受けたりしていたが、戦後は占星術家となりトービス・星図と名乗った。この二人とも国会図書館デジタルデータベースで検索すれば昔の本は個人送信で読める。今日読んだ十菱麟の本は、出てくる固有名詞は興味深かったが、それだけだ。ある種の老人私小説の「だらしなさ」の臭いを感じさせるところもあるが、こういうだらしなさはいただけない。

やっと来たこの週末は、西村賢太「雨滴は続く」に集中することを自らに課す。