北町貫多の私小説の舞台を時系列に並べたものとは別に、西村賢太の私小説を執筆(発表)された順番で並べたものを作ってみた。
赤字は<秋恵もの>。右の数字は<日乗>に書かれていた枚数。
1室戸岬へ(『田中英光私研究』第七輯1995年11月)単行本未収録
2野狐忌(『田中英光私研究』第八輯1996年11月)単行本未収録
3墓前生活(同人誌『煉瓦』28号2003年7月)『どうで死ぬ身の一踊り』
4春は青いバスに乗って(『煉瓦』29号2004年1月)『二度はゆけぬ町の地図』
5けがれなき酒のへど(『煉瓦』30号2004年7月、『文學界』2004年12月号)120
6一夜(『群像』2005年5月号)『どうで死ぬ身の一踊り』
7どうで死ぬ身の一踊り(『群像』2005年9月号)『どうで死ぬ身の一踊り』
8潰走(『野性時代』2006年2月号)『二度はゆけぬ町の地図』 ※『群像』に提出するも不採用になり、代わりに「一夜」が書かれた
9悪夢 ― 或いは「閉鎖されたレストランの話」(『野性時代』2006年6月号)『人もいない春』※唯一、私小説とは呼べない作品。
10暗渠の宿(『新潮』2006年8月号)『暗渠の宿』
11腋臭風呂(『野性時代』2006年12月号)『二度はゆけぬ町の地図』
12貧窶の沼(『野性時代』2007年7月号)『二度はゆけぬ町の地図』
13二十三夜(『野性時代』2007年10月号)『人もいない春』
14小銭をかぞえる(『文學界』2007年11月号)『小銭をかぞえる』
15焼却炉行き赤ん坊(『文學界』2008年6月号)『小銭をかぞえる』
16人もいない春(『野性時代』2008年7月号掲載時タイトル「碧空を思う」を改題)『人もいない春』
17廃疾かかえて(『群像』2008年11月号)『瘡瘢旅行』
18乞食の糧途(『野性時代』2008年12月号)『人もいない春』
19瘡瘢旅行(『群像』2009年4月号)『瘡瘢旅行』
20膿汁の流れ(『群像』2009年6月号)『瘡瘢旅行』
21赤い脳漿(『野性時代』2010年2月号)『人もいない春』
22昼寝る(『野性時代』2010年4月号)『人もいない春』
23肩先に花の香りを残す人(『東と西 2』(2010年7月 小学館))『寒灯』
24陰雲晴れぬ(『新潮』2010年8月)『寒灯』
25落ちぶれて袖に涙のふりかかる(『新潮』2010年11月号)『苦役列車』
26苦役列車(『新潮』2010年12月号)『苦役列車』150
27腐泥の果実(『新潮』2011年2月)『寒灯』
28一日(『文學界』2011年3月号)『一私小説書きの弁』、文庫版『無銭横町』
29寒灯(『新潮』2011年5月 )『寒灯』
30膣の復讐(『週刊ポスト』2011年12月2日号)『歪んだ忌日』10
31青痣(『新潮』2012年1月号)『歪んだ忌日』43
32棺に跨がる(『文學界』2012年5月)『棺に跨がる』50
33脳中の冥路(『文學界』2012年7月)『棺に跨がる』44
34豚の鮮血(『文學界』2012年11月)『棺に跨がる』35
35形影相弔(『en-taxi』vol.37 WINTER 2012)『歪んだ忌日』
36感傷凌轢(『新潮』2013年1月号)『歪んだ忌日』30
37破鏡前夜(『文學界』2013年2月号)『棺に跨がる』
38朧夜(『en-taxi』vol.38 SPRING 2013)『無銭横町』21
39歪んだ忌日(『新潮』2013年5月号)『歪んだ忌日』30
40跼蹐の門(『文學界』2013年5月号)『歪んだ忌日』
41疒の歌(『新潮』2013年10月号、12月号、2014年1月号、3~5号)380『疒の歌』
42酒と酒の合間に(『en-taxi』vol.40 Winter 2013)『無銭横町』27
43貫多、激怒す――または『或る中年男の独言』(『すばる』2014年1月号)『無銭横丁』
44邪煙の充ちゆく(『文學界』2014年3月号)『無銭横町』
45人工降雨(『新潮』2014年6月号)『痴者の食卓』
46菰を被りて夏を待つ(『文學界』2014年8月号)『無銭横町』
47蠕動で渉れ、汚泥の川を(『すばる』2014年9~12月号、2015年1~4、7、8月号、2016年1~5月号)470 『蠕動で渉れ、汚泥の川を』
48下水に流した感傷(『小説新潮』2014年9月号)『痴者の食卓』40
49夢魔去りぬ(『新潮』2014年11月号)『痴者の食卓』
50無銭横町(『文學界』2015年1月号)『無銭横町』43
51痴者の食卓(『小説現代』2015年1月号)『痴者の食卓』41
52畜生の反省(『野性時代』2015年1月号)『痴者の食卓』31
53微笑崩壊(『小説新潮』2015年3月号)『痴者の食卓』
54芝公園六角堂跡(『文學界』2015年7月号)『芝公園六角堂跡』67
55終われなかった夜の彼方で(『文學界』2016年新年号)『芝公園六角堂跡』
56寿司乞食(『小説新潮』2016年1月号)『夜更けの川に落葉は流れて』43
57深更の巡礼(『小説現代』2016年2月号)『芝公園六角堂跡』38
58十二月に泣く(『すばる』2016年6月号)『芝公園六角堂跡』
59写真(『文學界』2016年8月号)単行本未収録 30
60雨滴は続く(『文學界』2016年12月号~2017年4月号、6月号~10月号、12月号~2018年3月号、5月号~8月号、11月号~2019年1月号、5月号~6月号、12月号~2020年1月号、3月号、5月号~2021年1月号、3月号~4月号、6月号~12月号、2022年4月号、作者逝去により全45回で未完)1000枚 『雨滴は続く』
61青痰麺(『群像』2017年8月号)『夜更けの川に落葉は流れて』45
62夜更けの川に落葉は流れて(『群像』2017年10月号)『夜更けの川に』146
63陋劣夜曲(『群像』2018年1月号)『羅針盤は壊れても』41
64黄ばんだ手蹟(『文學界』2018年1月号)『蝙蝠か燕か』
65崩折れるにはまだ早い(「乃東枯」改題)(『群像』2018年7月号)『瓦礫の死角』24
66羅針盤は壊れても(『群像』2018年9月号)『羅針盤は壊れても』159
67四冊目の『根津権現裏』(『群像』2019年2月号)『瓦礫の死角』50
68瓦礫の死角(『群像』2019年7月号)『瓦礫の死角』88
69病院裏に埋める(『群像』2019年7月号)『瓦礫の死角』
70人糞ハンバーグ或いは「啄木の嗟嘆も流れた路地」(『文學界』2020年2月号)単行本未収録 53
71廻雪出航(『文學界』2021年2月号)『蝙蝠か燕か』
72蝙蝠か燕か(『文學界』2021年11月号)『蝙蝠か燕か』