War Is Over

 if you want it

最も危険な遊戯

やまだかつてない台風が近づく中、吉田豪年譜(備忘録)更新のため関連本を読む。

「聞き出す力」「続聞き出す力」「続々聞き出す力」はインタビュアーを志す者にとってバイブルといってよい名著。

残念ながら、この三部作の最終巻「続々聞き出す力」だけは電子書籍のみの販売となっている。せめてこの本の元になった「週刊漫画ゴラク」の連載分をすべて書籍化してほしい。

吉田は、自らの立ち位置を決定づけた存在の一人に、反面教師として景山民夫を挙げている。

吉田は十代の頃、景山民夫の軽妙な毒舌エッセイのファンで、根底に反原発のような硬派な面も併せ持つ彼の姿勢に共感していたが、小説家として認められた頃から景山の諧謔性は次第に失われ、障害を持つ娘を十八歳で亡くした後、幸福の科学に入信し、悲劇的な最期を遂げる。

この軌跡を目の当たりにした吉田は、景山民夫よりも、軽さと笑いを持ち続け、ふざけたスタンスで発信を続ける高田文夫に倣うべきと考えたという。

それは「冷笑するだけのサブカル」という立場とも違う。

単純な善悪二元論に依拠して<正義>のスタンスで他人に干渉する/されることを拒否することが、吉田の掲げる<サブカル>の矜持なのだ。

最も残酷な行為をなしうる者は、自らの正義に疑いを抱かない者であると歴史は示している。正義の暴走がバランスを失うとき、真に危険な社会が到来する。

だが残念ながら近時の世の中を見る限り、その傾向は強まる一方と言わざるを得ない。

吉田豪がふざけることを止め、正義のスタンスを取ったたときが、この世の終わりである。