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吉田豪つながりで、浅草キッド「お笑い男の星座」を随分久々に読み返した。

直接吉田豪の名前は出てこないが、プロレス関係やらガッツ石松やら梶原一騎やら関連するワードが頻出し、お互いの書物を補完的に読むことで奥行きと立体感が生まれる。

この本は浅草キッドの共著で、実際にはどちらか一方が書いているに違いないが、水道橋博士玉袋筋太郎が二人で書いているという体裁の文章になっている。

そういえば、浅草キッドの二人は、ここ数年は不仲説とか冷戦状態とかいう噂がしきりにネット上を流れていて、いつの間にそんなことになったのか興味がわいてきた。

先日の西村賢太追悼の会でも、その前日に参議院銀選挙に当選した水道橋のことを玉袋がおちょくってネタにしていた。西村と玉袋が飲むと、よく水道橋の悪口で盛り上がったと。

ネットで記事を辿っていくと、2016年9月30日には水道橋がインタビューでこんな風に語っている

「ぶっちゃけ相方玉袋さんとの仲って良いんですか?」

 この質問をされるくらい「不仲説」っていうのは、ずっと我々、この2年間ぐらいつきまとってますね。吉田豪ちゃんがラジオで相方と一緒に出ると、すぐ不仲説を振る。というか、そういう悪趣味なギャグになってる(笑)。

(中略)またそういう不仲説はネットで流れると受けるから、それを真に受ける人が続々と出てくる。それで、さらにネタ化するっていう流れなんです。しかし、相棒なんて30年も、もうお互いの人生の半分以上、最も苦楽を共にして長くつきあっている「ほかならぬ人」なんだよ。。

(中略)少なくともTake2とかホンジャマカとかより全然仲良いと思いますね(笑)。オセロとかね、結婚式も呼ばないって(笑)。まあ散々オレらもそういうふうに(芸人の不仲説)をネタにしてきた身ですから。それでいざ30年たったら、気が付けば自分もこのネタになってしまうのかという感じですね。

それが、2年後の2018年8月24日ではこんな記事が載っている。

ビートたけしさんが3月末をもって芸能事務所『オフィス北野』から独立し、それが発端で勃発した騒動の中で、『たけし軍団』に在籍するお笑いコンビ『浅草キッド』の水道橋博士(本名=小野正芳 56歳)と玉袋筋太郎さん(本名=赤江祐一 51歳)に不仲説、更にコンビ解散危機説も浮上しており、その真相を確かめるべく週刊誌『フラッシュ』が直撃取材を行っています。

水道橋博士ビートたけしさんが独立後の4月1日に、『たけし軍団』のつまみ枝豆さん、ダンカンさん、グレート義太夫さんと共に声明文をブログ上で発表し、その記事で森昌行社長を糾弾したことで大きな波紋を呼び、さらに大きな騒動へと発展することになりました。

その一方で、玉袋筋太郎さんはそこに名を連ねておらず、その後出演した番組などでも特に森昌行社長のことを糾弾することもなく、水道橋博士のように積極的にメディアの取材を受けるといったこともせずに静観の構えを見せています。

その理由についてニュースサイト『ビジネスジャーナル』は4月20日配信の記事で、
「その背景には、近年業界内で噂されている博士との不仲が影響しているといわれています。ここ何年も、たびたび解散の危機が報じられてきた浅草キッドですが、最近は本当にヤバいらしいんですよ。
と、お笑い関係者が語っていることを伝えていました。

また、同関係者は玉袋筋太郎さんだけは、「兄さんたちには申し訳ないが、俺には(森社長を攻撃)できない」と頭を下げて断っていたという話もあると語り、その理由については定かではないものの、「たけしの愛人に対してよく思っていないという噂もあります。博士が軍団の先陣を切って森社長攻撃を展開したことについては、非常に冷ややかな目で見ていたそうです。そうしたこともあり、玉ちゃんのオフィス北野退社の可能性もあるんじゃないかと見る向きもいます。」
と語っていました。

今回2人の不仲説について報じている『フラッシュ』の記事でも、玉袋筋太郎さんが声明文の発表に際して、「兄さん方、申し訳ありませんが今回の件に自分は協力できません」と、たけし軍団のメンバーに伝えていたとし、「独立問題で師匠のたけしについて行けないと感じていて、騒動に関する軍団の会議にも参加していなかった。だが一方の水道橋は、筋金入りのたけし信奉者。亀裂は埋めようがない」
と芸能関係者が語っています。

さらに、その噂に信憑性を持たせているのが玉袋筋太郎さんの『オフィス北野』退社説だといい、同関係者によると、一部では退社するのは「決定事項」とまで言われているとし、退社後は元マネージャーが5月に立ち上げた事務所『ラフィーネプロモーション』に移籍する可能性が高いと見られているとも証言しています。

こうした噂の真相を確かめるべく、『フラッシュ』は2人にそれぞれ直撃取材を敢行しており、まず玉袋筋太郎さんは『オフィス北野』からの退社・移籍について聞かれると、「(笑いながら)ないない。誰から聞いたの?」「(元マネージャーに引き抜かれる?)そんなことはねえよ。そんな品のねえこと、やんねえよ」と完全否定したとのことです。

浅草キッド』の不仲や解散危機説についても、「ほお~解散!?解散はないっしょ!別に不仲でもないんじゃないの。コンビなんだから。」と否定したそうです。

一方の水道橋博士もコンビ解散について聞かれると、「いやいや、それはない」「(玉袋筋太郎さんの事務所移籍が解散の理由?)それ、初めて聞きました。寝耳に水だよ。むしろ(玉袋に)聞いてみる(笑)」と答え、やはり疑惑をキッパリと否定したとしています。

また、ビートたけしさんの新事務所『T.Nゴン』に移籍する可能性についても、「退社の意思は全然ないね。(オフィス北野の)出直しを一生懸命やってるんでね。そのための集まりも重ねてる」といい、今後も『オフィス北野』で活動をしていくようです。

そして、玉袋筋太郎さんの移籍先として浮上した『ラフィーネプロモーション』は取材に対して、「オフィス北野を退社後、引き継ぎのため、しばらく玉袋のマネージメントを手伝っていたことはありますが、玉袋が移籍するという話は一切出ていません。新会社を設立した現在はマネージメントに関わっていません」と否定したそうです。

『オフィス北野』の森昌行社長も『浅草キッド』の解散や退社説を否定した上で、
「現在オフィス北野では、軍団との意思疎通のうえで、新体制への移行を進めている最中です。9月を目標にしていましたが、予定が押しています」と回答しています。

玉袋は2020年3月末に株式会社TAP(旧株式会社オフィス北野)の慰留を振り切る形で強行退社し、無所属となった。水道橋博士は事務所に残るため、漫才師浅草キッドは事実上解散状態に。玉袋本人はこれ以降プロフィールに「浅草キッド」の名を使わず完全にピン芸人を名乗る。

そして、水道橋の選挙当選を受けて、今年(2022年)の8月23日にはこんな記事

7月に投開票された参院選では、…れいわ新選組から比例区に出馬した、お笑いコンビ「浅草キッド」の水道橋博士氏も見事に当選。維新の松井一郎代表から個人の言論を封じ込める目的のスラップ訴訟を起こされたことを機に出馬を決めたと公言し、「反スラップ訴訟法」をつくることなどを公約としていた。

 今後の国会での維新の会の議員とのバトルも気になるところだが、芸能界でそれ以上に注目を集めているのが、相方の玉袋筋太郎との関係だ。

 バラエティ番組を手がける放送作家は語る。

「5歳違いの2人ですが、かつてはプライベートでも一緒にプロレスや格闘技を観戦に行くなど、私生活でも仲が良いコンビとして知られていました。師匠のたけしさんとの関係も良好で、年に一度、浅草キッドの2人が社長の設定で芸人のたけしさんを接待する“社長会”なんてイベントもやっていて、たけしさんがラジオ番組なんかでうれしそうに話していましたね」

 そんな浅草キッドだが、近年はコンビとしての仕事は週刊誌「アサヒ芸能」(徳間書店)の連載記事くらいのもので、公の場に揃って姿を現すことはなく、不仲説も取り沙汰されている。

「博士は解散こそしていないものの、長年にわたって漫才をはじめとしたコンビとしての活動をしない現状を“セックスレスの夫婦”に例えていますが、実状はそれどころではなく、相当冷めきった関係のようです。コンビとしての活動はおろか、ほとんど連絡も取り合っておらず、そもそも今では所属事務所も別々ですからね。2人を若手時代から可愛がっている高田文夫先生ですら、コンビ復活に関してはさじを投げている状況です」(前出の放送作家

 10年ほど前にはそんなコンビ仲の悪さを象徴する決定的な“事件”もあったとか。

「玉ちゃんが、浅草キッドのかつてのライバルで不仲も噂されていた爆笑問題に、メディアを介して公開果たし状を送り付けて、漫才対決を仕掛けたことがあったんです。太田光さんがプロレス的なノリで乗っかったことで2組の対決ムードがにわかに盛り上がりかけたのですが……。博士がまったく乗り気にならず、浅草キッド側の空中分解によってうやむやになってしまったんです。その後、太田さんは博士とも玉ちゃんとも仕事をともにしていますが、浅草キッドの2人が揃うことはありませんでした」(同上)

「あれから10年近く経ちますが、2人の仲は雪解けはおろか、ますます冷め切っているというのが実状です。まあ、博士は本の執筆やテレビ番組でのコメンテーター、ネット番組、YouTubeチャンネルでの知識人との対談など文化人的な活動で、玉ちゃんのほうは酒や町中華、スナックなど自身の趣味を活かした活動で、それぞれピンでタレントとして成立していますからね。幸か不幸か、そのあたりもコンビ復活の障壁になっているのかもしれません。まして今回、博士が参議院議員になったことで、ますます芸人としての活動からは距離を置きそうですしね」(同上)

今年8月に行われた水道橋博士の生誕祭に、玉袋は出席しなかったが、ビデオメッセージを送っている。その中身は、東スポによれば次のようなものだったという。

還暦と参院議員当選おめでとう。生稲晃子、中条きよし、松野明美、ガーシーといった優秀過ぎるタレント議員たちと党派を超えて、みんな仲良く珍味とメッコールを買い、天下国家を国会で論じるために頑張ってください。そして体だけは気を付けてください。年に2回しか会わない相棒・玉袋筋太郎