森達也「千代田区一番一号のラビリンス」(現代書館、2022)を読む。
発売直後に図書館で予約を入れたら、数十件の順番待ちになり、ようやく読めた。
題材の奇抜さもさることながら、内容もかなりぶっ飛んでいて、面白く読めた。
中島らも「ガタラの豚」の読後感に似ている。
メディアからは案の定、黙殺に近い扱いを受けているようで、この小説の存在を知る人は森達也に関心のある人以外はほとんどいないのではないか。著者によれば右翼からの抗議とかも特にないという。
内容やあらすじはネタバレになるのでここには書かないが、千代田区一番一号に居住する(していた)明仁と美智子が主人公の冒険活劇(森達也の定番テーマ<メディアと自主規制>も絡めて)というテーマにちょっとでも興味を持った人は是非一読をお勧めする。
今はAIで小説も自動生成できるみたいだから、こういうテーマでやってみても面白いのではないかと思った。
読みながらずっとジブリアニメが頭に浮かんでいた。映画化に期待。