INSTANT KARMA

We All Shine On

つねに出会い損なわれる出会い

ホテル療養を終えて4日が経過したが体調は完全回復とはいかず、軽い怠さが抜けない。咳も出る。持続的な頭の重さは、この週末に連日でほとんど徹夜でW杯の準々決勝を見て昼夜のリズムが狂ったせいだろう。

準々決勝はどれも凄い試合だった。やはり一発勝負の決勝トーナメントに入ってからは一次リーグと緊張感とスピードがはっきり違う。優勝候補になるような国は決勝トーナメントに照準を合わせており、日本のように1次リーグ突破の時点で消耗しているチームは勝てない。モロッコクロアチアはある意味今の日本が理想とするサッカーで勝ち上がった。個の力で勝る相手に勝つためにはディフェンシブで組織的なサッカーしかない。昔はそれが面白くなかったが、今はそういうサッカーのほうが競技の本質に迫っている気がして面白い。その中からそれを突き崩すような傑出した個人が現れるのがまた面白い。だから最終的にはメッシのいるアルゼンチンをやはり応援する。これが最後のワールドカップだろうから、有終の美を飾らせてやりたい。海外サッカーを一番見ていたのが十代のメッシがいたバルセロナモウリーニョ監督のチェルシーがチャンピオンズ・リーグで戦っていた頃なので、メッシという選手にはマラドーナの次くらいに思い入れがある。

図書館でラカン現象」(マルク・レザンジェ)という本を借りたが、出だしを読んで、今自分が読みたかった種類の本だという気がした。要するにラカンというのはフランスの吉本隆明みたいなもんじゃないか、という主張。意味不明の概念を晦渋な文章でさも深い洞察のように見せかける術に長けており、弟子たちや信奉者たちもよく分からないまま魅了されている。吉本隆明はドメスティックな存在で日本以外の影響力はなかったが、ラカンはヨーロッパ知識人の流行に敏感に反応するアジアのインテリたちにもありがたいものとして受容され、影響力をもった。このようなことが書いてある本だと読む前から解釈した。呉智英の「吉本隆明という共同幻想」みたいな。

ラカン精神分析の四基本概念』解説」(荒谷 大輔、小長野 航太、桑田 光平、池松 辰男)という本も借りた。元の本がさっぱり分からなかったので。ラカンの言うことに本当に深い洞察が含まれているというのなら、分かりやすくかみ砕いて説明してほしい。分かりやすくかみ砕いて説明できないというのなら、それは単なる内輪受けのジャーゴンに過ぎず深い洞察とは言えない。何もツイッターみたいに140字以内で教えてくれと言っているわけではない。通常の事理弁識能力を持つ一般人の理解できる文章で教えてほしいと言っているだけだ。

また怠くなってきた。ラフ×ラフの新しいショート動画が出るまで横になることにする。

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