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ジェームス語りで聞く"ザ・ストリート・スライダーズ物語“ (がんじがらめ)
2ndアルバムは伊豆のリゾートスタジオで収録
約1週間メンバーとスタッフで共同生活
1stアルバムは収録が飛び飛びのためなかなか集中できず慣れなかったが、今回は反省点を踏まえてやった
1stはクリアな音のためスカスカでグルーヴや一体感が感じられなかったので、
2ndは音が全体的に回り込むように楽器をブースから出してリハーサルスタジオのような配置にし、マイクに音が被るようなかたちにした
音が修正できないので緊張感やライブ感があった
レコーディング後に皆で飲みながらその日の演奏を聞いたりしてコミュニケーションが図れた
伊豆の海で最終日に誰もいないビーチで泳いだり、のんびりできた
「がんじがらめ」というタイトルは公平が考えたと思う
1.踊ろよベイビー
ミディアム・テンポのインスト。ストーンズの「イッツ・オンリー・ロックンロール」を意識した
別テイクのロングバージョンもあり、ライブ登場時のSEに使ったりしていた
2.So Heavy
アマチュアの頃から演奏していた、ライブのハイライトになる曲。
なぜシングル・カットしなかったのか、今思えばもったいない
売れ線にすることに抵抗があったのだろう
3.Catch Me
もともとはアップテンポだった。やっているうちにこういう感じになった
4.とりあえず、Dance
ストーンズ(ミック・テイラー期)を意識
いい感じでオリジナルになったと思う
5.道化者のゆううつ
メロウなイメージがあるが、リズムはしっかりしている
間奏がないのはレコーディング時のアイディア
一発取りの味が出ていると思う
6.Tokyoシャッフル
こういうノリのロックンロール・バンドは日本にいなかったと思う
今思えばもっとプロモーションすべきだった
7.鉛の夜
ライブではやったことがない気がする
ライブではなかなかこのムードは出せない
8.Dancin' Doll
女性に人気があるらしい
ソウルな感じのファンキーなマイナーブルースのベースライン
エンディングのハリーのギターが味がある
9.マンネリ・ブギ
T-REXやストーンズを子供のころから聞いていたのでブギやシャッフルは好き
自分のオリジナルはシャッフル系が多い
10.Slider
こんなこと言ったらおこがましいが、ストーンズを超えた豪快なうねりみたいなものが出せたんじゃないか
誰も褒めてくれないんだけど(苦笑)
渋い曲だけどこのアルバムにふさわしいドライブ感があると思う
ジェームス語りで聞く"ザ・ストリート・スライダーズ物語“ (イギリスへ)」
夏の終わりにレコーディングした「がんじがらめ」が12月1日に発売
1年に2枚出していたことになる
メンバーもスタッフもそんなに長く続くもんじゃないと思って焦っていたのか
売れることを求めるレコード会社とのせめぎあいはあった
年が明けて84年にロンドンへ
メンバー4人とマネージャーの5人で
天井から水がたれたりリクライニングが壊れていたりカーペットが捲れてたり
とんでもない飛行機に乗っちゃったな、と思った
ロンドンに着いたら入国審査で引っかかった
別室に連れていかれ、アジア人でごった返していた
同じ別室にいた日本人の知り合いが迎えにきてくれて何とか出れた
ローリング・ストーンズのオフィシャル・カメラマンMicheal Halsbandに撮ってもらうのが一番の目的だった
イギリスのホテルは古い幽霊が出そうな怪しいホテル
カメラマンとの待ち合わせはリッツ・ホテル
メンバーがロビーにいると、警備員から追い出された
マイケルもそうとうイカれた格好をしていたのだが、当時はまだ日本人への偏見もあったのだろう
ロンドンのカーナビー・ストリート、キングスロード、カムデンタウンなどを観光
ストーンズとDr.Feelgoodを足して二で割ったようなバンドをパブで見た
演奏はうまいけど俺たちの方がカッコいいだろうと思っていた
ディスコ、クラブ、古着屋漁り。街中がロックンロールという感じ。ハイドパークとか。ストーンズのStreet Fighting Manを聴きながら一人で歩いた
人間が軽くないところが気に入った。できれば住んでみたいと思い、以来6回行った。