INSTANT KARMA

We All Shine On

野望の死角

Lieutenant Columbo: Peter Falk
The Governor: Moto Saitoh
The Promotor: Kaede Orihara
Dog: As himself
Written by: X
Directed by: Tamotsu Sugano
Score by: Atsushi

知事:君は何を言うんだ?彼女はあくまでボランティアとして僕の選挙の応援をしたに過ぎない。彼女に支払ったのはポスターの印刷費だけだ。請求書にもそう書いてある。

コロンボ:はい、確かに請求書にはそう書いてます。

社長:私はSNSを主体的に運営したのではなく、あくまで知事に戦略的なアドバイスをしていただけです。それもボランティアでね。そんなことはお分かりじゃなくって?

コロンボ:あたしのカミさんがあなたの大ファンでね。どうもセレブへのあこがれがあるもんで…その上やり手の社長ときてらっしゃる。

社長:文字通り何もないところ、いわゆる「ゼロ」から立ち上げた会社です。プライベートでは「結婚」や「家族の不幸」などがありながら、一時も立ち止まることはなく、全力で進み続けることができたと言い切れます! その結果、会社の成長スピードは凄まじいものであったため、「成長期待企業」の認定を頂くことができ、業績を振り返る打ち合わせでは褒められることが多かった。もちろんここまで来るのに直面した壁は数え切れません。

知事:彼女に助けられたのは確かだ。でも疚しいところは一切ない。法律に違反したという事実はないんだ。これ以上のことは代理人弁護士に任せてあるからそちらに聞いてくれ。君の言うことは推理ばかりで、何一つ証拠がないじゃないか。さあ、もういいだろう。帰ってくれないか、コロンボ警部。

コロンボ:すみません、あと一つだけ。あなた、選挙期間中は忙しくてSNSは見る暇がないとおっしゃった。その一方で、SNSの運用は主体的にやっていたとおっしゃる。

どうもその点がひっかかるんです…普段お使いの携帯の機種はアンドロイドだと仰いましたね? それは通信履歴からも確認が取れてます。

知事:それが何の関係があるんだね?

コロンボ:これを見てください…あなたが選挙期間中に更新したSNSの画面なんですが、これはiPhoneから投稿されてます…ここにその表示があるんです。私こういうのには詳しくないんで、ゆうべカミさんに教えてもらったんですがね。

あなたがお持ちのの携帯がアンドロイドなら、一体誰がこの投稿をしたんでしょうか?