INSTANT KARMA

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マイナークラブハウスへようこそ

※ 今回の記事は、われながらかなりキモいので、コアな能年玲奈ファン以外の方が読むことはお勧めしません。

 

 

 

 

以下に書くことは、ただの妄想であり、仮説であることをあらかじめお断りしておきます。

 

必ずしも実際の人物(能年玲奈さん)がこんな人だとかこんな風に考えていたとか主張するものではありません。

 

能年玲奈さんが過去に書いたことや話したことから受けた印象に基づく自分の勝手な推測にすぎません。

 

 

 

 

このくらい前置きをすればいいか。

 

 

過去に鳥居みゆき北川景子等々について好き勝手なことを書いてきたが、能年玲奈に関しては余計なイメージをつけないようにとなぜか気を遣ってしまう。

 

能年玲奈は実はもう20歳だ。

 

10代の前半でブレイクする女優も多い中で、19歳の主演作品でブレイクというのはむしろ遅い方だといえる。

 

例えば薬師丸ひろ子は13歳で『野生の証明』、蒼井優は15歳で『リリイ・シュシュのすべて』に出ているし、よく比較される広末涼子がドコモのCMで鮮烈なインパクトを残したのは14歳の時だ。

 

彼女がドラマや映画、雑誌などにどんどん出るようになったのは少なくとも16歳の後半以降で、中学を卒業して東京の高校に入り、事務所の寮で生活するようになった当初の1年くらいは、演技の基礎レッスンを受けてはいたものの、本人いわく「ひきこもり」の日々だったという(寮の相部屋だったアイドリング!!!大川藍からは「一日中パソコンばかりしてる」と言われていた)。

 

そんな彼女が繰り返し読んでいたのが木地雅映子の小説だ。

『氷の海のガレオン/オルタ』や『悦楽の園』という小説を集中して読んだ。

この読書体験の中に、能年玲奈を解く鍵があると思う。

 

「みんながいいと思うもの、私はいいと思わない。
みんながしゃべってる言葉は私の言葉と違う気がする。
孤独をごまかすためにくっつきあってるのは、友達って言わない。」

 


木地雅映子という作家については知らなかったが、生きづらさや居場所のなさを抱える中高生の心象風景を綴った小説のようだ(アスペルガー症候群を扱った小説とも言われているようだ)。ネットで見つけたこの本の感想をいくつか抜き出してみる。

小学生の私に(もしかしたら将来の私にも)言ってあげたい。「おーい、わたし、学校に気をつけるんだぞ!」そんなこと言われたってどうやって気をつけたらいいのかわからないだろうし、今になってもさっぱりわからないけど、それでも。「はっきりと言えるのは、ただ、“生き難い”と、心の奥底で喘いでいたときに、息の吐きかたをこの本が教えてくれた、という揺るぎない事実だけ。」生き難いと思ってない人にもお勧め。

 

ふたつともどこにでもあるけれど、その場にいる人間のいったいどの程度が把握しているのか困難な…そこにある「空気」と「思考」のズレ。「社会」と「自分」の境界線が曖昧な人ならすごく共感できる本。センスの無い教員が読んでも「何だコレ?」なんだろうな。時代に流されない名作です。


痛い。とても痛い。この共感の仕方は駄目だ。痛くて痛くて突き刺さる。痛みを伴う愛の容赦なさ。木地さんの書く小説はどこかが圧倒的に痛いし痛む。その痛みを求めて、僕は他の作品も読んでしまうんだけど。


これらの感想から分かるのは、木地雅映子の小説を愛読する能年玲奈という少女は、周囲との違和感や生きづらさという感情に共感力があるということだろう。感受性の強さは、時折彼女がブログにアップする絵画からも伝わってくる。簡単に言うと、薄っぺらな人間ではない。大袈裟に言えば、実存的な深みを備えている。「あまちゃん」では、直情的で空気の読めない「アキ」という少女を演じている。アキは外向的だが(少なくとも東北で海女になってからは)、能年本人はもっと複雑な内面を持っている。もっとも、アキ自身も東京で生まれ育ち、「インチキ東北人」という二重アイデンティティーを持つという複雑な設定ではある。その点を含めてアキは能年のハマリ役であるといえる。


彼女がインタビューで繰り返し語るエピソードが、「女優をしていなかったら生ごみ」と演技指導の先生から言われたという話だ。これを聞いて彼女は、「自分は女優になるしかないんだ」という思いを一層強くしたらしい。

もともと、兵庫の実家から女優を目指して上京する際には、親からは大反対されたという。その反対を押し切って「絶対に有名な女優になる」と強い意志をもっての上京であった。

同世代のタレントの仕事を横目に見ながら、女優になれるだろうかとの不安を抱えつつ、演技のレッスンに励み、オーディションを受け、コンビニでバイトし、モデルの仕事もこなす。

モデルの現場では、要領を得ない彼女の受け答えに、「頭が悪すぎる」「もうあの子はクビにしよう」と囁かれていたという。

読者も少なく、コメントも一ケタ台のブログには、「“のうねんれな”という名前は語呂が悪いのでは」と思い悩んだり、内心の焦りを感じさせる文章も散見される。

高校2年の4月に出演した映画『告白』では、年下の橋本愛が存在感を感じさせていた。

一方の能年も、地道な演技の訓練が実を結び始め、映画『カラスの親指』をはじめ、いくつもの映画やドラマ出演の道が開けてくる。

彼女の人生を変える作品となった『あまちゃん』のオーディションでは、『11人もいる!』を見て宮藤官九郎の作品に絶対に出たいと決意し、「呪文のようなもの」を使ったとまで言う。


つづく