INSTANT KARMA

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私の東京物語(4)

第4話

姉と原宿へ行くことになった中学一年生の私は、おしゃれな街に着ていくおしゃれな服もなく、上下スウェットで家を出ました。日曜日の東京へ向かう電車は混雑が容赦なく、全く座れない状態のままいつ着くのかもわからないしんどさで倒れそうでした。途中の池袋で「もうここら辺で買い物して帰ればよくね?」との私の提案を姉はすぐに却下して「いや、私も疲れたけどお父さんが原宿行けって言うから原宿に行こう!」と明らかに自分が原宿に行く気満々なのに父親のせいにする感じで言いました。二時間弱電車に揺られ(体感時間としては八時間くらい)やっと原宿に着きました。

まあ池袋までくれば原宿まではあと一息だからね。

原宿は見渡す限りの人、人、人!あまりの人の多さに「今日何か祭りでもあんのかね」と今となってはオノボリの典型的なせりふを私も姉も自然に吐いていました。もう帰りたい、そんな思いの私をよそにテンションが上がっている姉。姉のたっての希望であるラフォーレ原宿に行きました。ラフォーレ原宿の店員さんに「ダサいヤツ入ってきたぞ」と思われているような気がして姉が買い物を楽しんでいる中ずっと下を見ながら店の前で待ちました。

姉はかわいいTシャツを買い、私は路上で売っていたよくわからないミサンガを買い、買い物を終えた私たちはクレープ屋に行きました。クレープのサンプルのディスプレーに映ったスウェット上下の肥えた自分を見ながら「痩せたらまた原宿に来よう」と決意しクレープを一口かじりました。

痩せる気ないでしょ!