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違法無効放置自治体

懲戒処分発表に関わる記者レク

2024年5月7日

次に「⑦パワーハラスメント」についてです。

知事のパワハラは職員の限界を超え、あちこちから悲鳴が聞こえてくるとの事実は確認できませんでした。

知事は職員に対し、業務上必要な場合は、時に厳しく指導することはあるものの、一言二言短く指摘するだけでありまして、人格を否定するような表現が使用されることや、職員を怒鳴り散らすこと、長時間にわたって必要に指導を続けること、一言も口を聞かないことなどの業務上の必要性の範囲を超えていたり、社会的相当性を逸脱する対応での指導が行われている事実は確認できませんでした

知事は業務上、幹部職員との間で、チャット等で報告を受けたり、指示をすることがあり、災害対応を含めた緊急時、例えば、本年1月1日に発生いたしました能登半島地震に関連して、夜中や休日にやりとりが行われることもあることを確認できました。

そのような時間帯の連絡は、知事からの発信よりも幹部職員が発信したものの方が多くなっていますし、緊急性の高い連絡が行われているものであり、業務上の必要性の範囲を超えるものとは認められませんでした。

気に入らない職員に対する対応として指摘されている事実も確認できませんでした。

本件の兵庫県ハラスメント防止指針におけるパワーハラスメントの定義は、職務に関する優越的な関係を背景として行われる業務上必要かつ相当な範囲を超える言動であって、職員に精神的もしくは身体的な苦痛を与え、職員の人格もしくは尊厳を害し、または職員の勤務環境を害することとなるようなもの、と定義されています。

知事の行いました業務上の指導は、指導対象となる事実が実際に生じていることを前提として行われるものであり、指導の方法も先ほど申し上げましたとおり、業務上必要かつ相当な範囲を超えるものではなく、また職員の人格もしくは尊厳を害するものでもないことから、本県の指針におけるパワハラには該当しないと認定することができます。

なお、県ではパワハラについて通報相談窓口を設けておりますが、知事からのパワハラについて、これまで通報や相談が行われた事実はありません。

以上が人事当局で事実認定した内容となります。

三者委員会調査報告書ダイジェスト版

2025年3月19日

第9章 本件文書に記載された事項7 (パワハラ、不適切な言動等)の調査結果

第2 評価

1 考古博物館の件

考古博物館での叱責は、指導の必要性がない上に、相当性を欠く方法で行われた。担当職員の精神面に悪影響を与えたばかりでなく、伝え聞いた職員を委縮させ、勤務環境を悪化させたものであるから、パワハラに当たる。  

3 空飛ぶクルマをめぐる諸問題 

知事協議でのやり取りは、齋藤知事が怒りに任せて職員を論難したものと言わざるを得ない。感情的に怒りをぶつけることは指導ではない。職員が齋藤知事を無視して勝手に事業を進めようとした事実は認められないことから、叱責、指導する業務上の必要性はなく、理不尽と言うべきものであって、パワハラに当たる。  

4 県立美術館の休館をめぐる件について

県立美官は、県から独立した行政委員会である教育委員会の所管であるから、齋藤知事には休館の時期について指導権限はなく、その問題に関与すること自体が越権行為である。加えて、休館期間が夏休みと重なったのは、他の展示等の関係でやむを得なかったもので、そこに指導の必要性は認められない

齋藤知事は、事情を聞くことなく、最初から叱責し、職員が事情を説明しようとしても、説明を聞こうとしなかった。また、直接ではないが、チャットにより他の職員にも知らしめる形で「こんなことでは県立美術館への予算措置はできません。」と述べて、怒りの程度が強いことを表現し、圧力をかけた。その言動は、極めて不適切である
上記を総合勘案し、齋藤知事の言動は、パワハラに当たると判断した。 

5 「SDGs未来都市」等の選定証授与式の広報をめぐる問題について

マスコミは、それぞれの社においてニュースパリューの有無とその重要度を判断し、 報道するか否かを決める。報道する場合も、その時期は独自に判断する。
しかし、齋藤知事は、現地に取材に来てその状況を報道するようマスコミ各社と交渉することを、深夜、休日にもかかわらず、職員に強く求めた。マスコミ側の考えるニュ ースとしての価値、評価の問題を考慮せずに成果を求めるものであって、実現困難な業務についてする過剰な要求であることから、パワハラに当たる

6 報道がなされることの事前報告等について齋藤知事は、

(1) マイナンバーに関する件において、関係職員に対し、取材を受けた事実を報告せず、齋藤知事の記者会見が始まる前に予想される質問内容についてレクチャーしなかったことは問題であると叱責し、
(2) 豊岡演劇祭について、職員からの報告でなく、報道で日程を知ったこと、日程が決まる前に知事協議を行わなかったことは問題である、連携が取れていない等と叱責し、但馬県民局長に、「まったくわかっていない」と伝えて釘を刺しておくことを求め、  
(3) 大阪府から兵庫県内の私立高校に通う生徒の授業料無償化をめぐる問題について、午前中になされた報道を昼食会までに報告しなかったことは問題であると叱責した。
しかし、職員は、すべての報道を即時にチェックできるものではない。チェックできても、そのうちのどれを報告し、どれを報告しないかは、事案の重要度と知事の繁忙度、齋藤知事がその時点で行っている仕事の重要度等によって変わってくる。また、どの情報に緊急性が高いかについては、齋藤知事と職員の判断が一致するとは限らない。  
上記の各案件についての齋藤知事の言動は、いずれも、職員に過大な要求を求め、 それができないことへの叱責であり、パワハラに当たる

7 机を叩いて叱責した行為について

齋藤知事は、尼崎西宮芦屋港湾計画事業に関して報道がされたことについて、担当職
員を知事室に呼び、事情を聞くことなく、いきなり、「県として意思決定していないことを先に出すのはよくない。許せない。」と述べ、机を叩いて叱責した。  
しかし、県が意思決定していないことについて報道されたものではなかった。この案件については、指導の必要性はないにもかかわらず、机を叩くという相当性を欠く方法で相手を威圧しようとした。知事と相手方との間ではいまだ信頼関係が築かれていない時期に行われたという意味でも、相手の職員に精神的衝撃を与えたことは否定できない。伝え聞いた職員は、畏怖し、その勤務環境は悪化した。よって、本事案はパワハラに当たる。  

10  Alによるマッチングシステムの件 

齋藤知事の言動は、事情を聞き、相手の認識を確認せずに指導が必要と判断し、強い口調で叱責したもので、適切を欠くと言わざるを得ない。叱責する前に事情を聞いておけば、互いの認識の違いを確認し、そごを埋めることができたはずで、そうすればそもそも齋藤知事が行ったような指導をする必要はなかったと考えられる。
仮に指導の必要を感じたとしても、予算化された事案について、説明を聞くことなく、知らない等と述べたり、担当者をないがしろにしたりすることは、相当性を欠く
この事実も、職員間では噂として広まり、齋藤知事は話を聞いてくれないとして士気の低下を生んだ。事業の開始は、本来の予定より1か月遅れた。
よって、勤務環境を悪化させたものとして、パワハラに当たる

1 1 介護テクノロジー導入・生産性支援センターの件

わからないことは担当者に聞けばよく、事情を聞かずに説明を受けることを拒否するのは適切でない。本件については、事情を聞けば、知事は前提事実を正しく認識できたから、指導を行う必要さえなかった事情を聞かずに強い口調で叱責することは相当性も欠く。

 一部の職員に、齋藤知事は事情を聞いてくれないとの気分を生み、センター開設が5 か月遅れたことも相まって、士気の低下を招いた。
 よって、勤務環境を悪化させたものとして、パワハラに当たる。 

1 2 はばたんべイの件     

追加注文までして齋藤知事のメッセージと顔写真を入れたうちわが必要であったか は、疑問なしとしない。  

齋藤知事から明確にこれらを入れるよう指示があった場合は格別、そうでない場合、齋藤知事のメッセージと顔写真を入れることは当然に必要な業務とは言えないのであ るから、当初、その指示のなかった本件は業務上のミスや懈怠ではない。追加提案として協議すればよく、担当者のミスであるかのような指導を行うことは誤りである。

指導の方法としても、舌打ちをし、ため息をついて相手に考えさせようとすることは、無用に相手を威圧し、萎縮効果を生じさせるものであって、相当でない。

この事実を伝え聞いた多くの職員は、広報物を作成するときには、齋藤知事の顔写真を入れるか検討が必要になったと感じ、職員の中には、顔写真を入れなければ叱責され、あるいは機嫌を損ねる可能性があると畏怖する者が現れるようになった。本来の仕事以外への気遣いをさせ、担当職員に精神的圧迫を与えるとともに、職員の不満と士気の低下を招いた。     
よって、勤務環境を悪化させたものであり、パワハラに当たる

1 4 チャットについて

齋藤知事の夜間や休日のチャットによる叱資や業務指示は、その対象となる内容が必ずしも緊急性のあるものではなく、夜問や休日ではなく翌登庁時に協議すればよいものが多く、職員の生活時間を無用に侵害している(業務上必要かつ相当な範囲を越える)ばかりでなく、内容的にも過剰の要求、過度の精神的負担を与えるものも相当数あること、知事という職務上の優位性を背景に行われ、しかも長期間にわたって継続的に繰り返されてきたものであること、チャットの相手方である幹部職員を精神的に疲弊させ勤務環境を害するものであったことから、パワハラに当たる

懲戒処分発表に関わる記者レク

 2024年5月7日

弁護士:それでは私の方から、第三者委員会を設置しなかった理由、設置しないことの相当性について説明をさせていただきます。

まず不祥事があった場合の事実認定というのは、本来は組織の自浄能力を示すために、みずから組織内部で行うべきものであります

兵庫県では内部調査を行う制度や仕組みとして、違法行為やハラスメントに関する通報は内部で受け付けて、内部で調査するという制度をもともと設けております。

また懲戒処分の対象となることが疑われる場合には、人事課が調査するという制度となっております。

まずはこのような制度仕組みを利用して調査するべきであり、調査が行われる前からいきなり第三者委員会の設置ということに本来ならないものであります。

今回、人事課が行った調査によりまして、事実の解明ができていないと考えられるような事情は認められません。

人事課による調査では、指摘された事実に関係すると考えられる方に全員から聴取を行うことができておりますし、知事に対しても、私から直接聴取をさせていただきました。

いずれの供述も元西播磨県民局長が指摘した事実を否定するものとなっていますが、供述内容自体が不合理であるとか、供述に食い違いがあるというような部分は認められませんでしたし、供述の裏付けとなる資料が存在するものについては、その資料を入手して供述と矛盾がないことを確認しております。

また人事課は元西播磨県民局長に対して証拠が存在するのであれば提示するよう求めていますが、明確な証拠が示されることはありませんでした。

これらの事情からすれば、関係者においてはの指摘する事実が認められないと、それを否定する供述を行っていることには十分な信用性が認められると考えることができます。

西播磨県民局長の文書の中では、知事が商工会や企業等を訪問したと記載されている部分があり、そのことだけを捉えれば事実でありますが、本来知事の行動は公表されておりますので、訪問していることが事実であるからといって、そのことによって記載内容の信用性が高まることにはなりません。また訪問先で、違法または不当な行為が行われたことを疑わせる場になるものでもありません。

今回元西播磨県民局長に対して懲戒処分を行っておりますが、懲戒処分の適合性について訴訟で争われる可能性も十分考えられますので、弁護士の立場からしますと訴訟で耐えられるだけの証拠が集まっているのかという観点からも検討しておりますが、その観点からしても、人事課によって必要な調査は行われていると考えております。

このような人事課による内部調査によって解明できていると考えることができますので、内部調査の他に、第三者委員会による調査を行う必要はないというふうに考えることができます

* * *

弁護士:今ご指摘のとおり公益通報者保護法では公益通報を行ったものは保護する、不利益な扱いがあってはいけないという規定がございますが、公益通報者保護法での公益通報というのは、法律上の別表で定められた法律に違反する行為、その疑いがある場合というようなことで、範囲が限定されております。

西播磨県民局長の文書で記載されているのは、公職選挙法とかって地方公務員法というものであって国民の生命身体とかに関わるものではないので、公益通報者保護法の別表に掲げられた法律には含まれないんですね。

ですので、形式的な話になりますが公益通報者保護法がいう公益通報には今回の内容は当たらないことになります。

また公益通報者保護法とは別に、兵庫県では独自の公益通報の制度を設けており、そこでは対象を特段限定はしておりませんが、その代わり通報の窓口を、所定のものを定めており、この窓口に通報してくださいということになっていますが、元西播磨県民局長はその窓口に通報されずに、外部のところへ配布をされたということで、公益通報制度の手続きに則っていないということになります。

西播磨県民局長に対する懲戒処分は、その文書を配布したこと自体を対象とするものでありまして、後から公益通報の手続きをとっても、それ以前に配布していたことが保護されることにはならないというふうに考えております。

三者委員会調査報告書ダイジェスト版

2025年3月19日

第2 公益通報者保護法とその関連法規等 

1 公益通報者保護法(以下「保護法」という。)、公益通報者保護法第1 1条第1項及び第 2項に基づき事業者がとるべき措置に関して、その適切かつ有効な実施を図るために必要な指針(以下「指針」という。)、地方公務員法等の本件に関係する法規等の概要、関係等については、公表版を参照のこと。

2 保護法11条4項が定める事業者がとるべき措置の具体的な内容を保護法で一律に規定することは困難であることから、公益通報者保護事務を所管する主任である内閣総理大臣が保護法11条4項に基づいて指針を定めた。指針は法令の一部であり、指針に違反する行為はすなわち法令に違反する行為である

3 保護法1 1条4項、指針第4の2にいう体制整備義務は、いわゆる3号通報に関しても求められているものであり、このうち、範囲外共有の禁止、通報者の探索防止については、公益通報該当性があれば、保護要件の有無にかかわらず禁止されている。 

4 兵庫県には、独自の公益通報者保護制度があり、「兵庫県職員公益通報制度実施要綱」が定められている。

第3 本件文書の作成・配布行為に対する兵庫県の対応の適否

1 本件文書の作成・配布行為の公益通報該当性 ・・・3号通報に該当 

(1)通報対象事実要件充足の有無

事項4 (贈答品に係る問題)のうち例1~ 4のコーヒーメーカー、ロードバイク、ゴ ルフのアイアンセット及びスポーツウェアに関する各記載内容は、刑法の贈収賄罪が問題になることを指摘している。  

事項6 (令和5年1 1月に実施されたプロ野球球団優勝パレードをめぐる問題)は、「信用金庫への県補助金を増額し、それを募金としてキックバック」との事実が記載されていて、刑法の背任罪が問題になることを指摘している。

事項7 (職員に対する言動ないし対応の適否)には、「これからますます病む職員が出てくると思われる」とか、「(職員からの訴えがあれば)暴行罪、傷害罪」との記載が あり、調査をすれば、刑法の暴行罪、傷害罪等が成立するほどの問題性の大きいパワハラ行為が顕在化する可能性が指摘されている。

したがって、本件文書の記載内容のうち、事項4、同6及び同7は、3号通報の「通報対象事実」の要件を充たしている。

(2)「不正の目的」について

西播磨県民局長が本件文書内容を流布させることで「不正の利益を得る」ということは考えにくい。また、同元局長が、将来的に何らかの影響力を行使して、実際に齋藤知事や県の幹部職員らを失脚させる目的があったとまでは認めることができず、本件文書末尾に本件文書の取扱いについて注意を促す記載があることに照らすと、本件文書に記載された企業、金融機関や県の外郭団体等に「損害を与える」目的があったとも認め難い。本件文書の配付先が1 0か所に限定され、その中に県警本部が含まれていたことからは、直ちにこの文書内容を広く流布して県政を混乱に陥れようとの不当な意図も看取することができず、本件文書の配布が「不正の目的」でなされたものと評価することはできない。  

2 齋藤知事と片山副知事ら利害関係者が関与したこと ・・極めて不当  

本件文書内容に関係のある者が調査を指示し、処分決定過程にも関与したことで、懲戒 処分の公正さを疑わせる事態を招いたのであり、県の対応は、法律及び指針の趣旨に反するものであって、極めて不当であった

3 通報者を探索した行為

(1)メール調査と元西播磨県民局長らへの事情聴取について・・・違法

齋藤知事は、3月21日に「通報者の探索」を命じた理由として、本件文書には、自分たちへの誹謗中傷のほか、関係企業や職員らの実名を記して名誉毀損、信用毀損等がなされていたために、それ以上の拡大を阻止し、再び同様の告発文が頒布されないよう 抑止する必要があり、迅速な通報者らの特定が必要な緊急性があったためと説明している。かかる動機による通報者探索は、保護法1 1条項及び指針第4の2の趣旨に反 するものであり、通報者探索禁止の例外として指針第4の2 (2)口が規定する「やむを得ない場合」に当たるということはできず、違法である

(2)公用パソコンの引き上げ行為について・・・違法

片山元副知事らが3月25日西播磨県民局に赴いた際に、元西播磨県民局長の公用パソコンを引き上げた行為は、違法な通報者探索行為の一環であり、県が所有し、管理権限を有する公用パソコンであることや、強制的に引き上げたとはいえない態様を考慮しても、正当化されるものではなく、保護法及び指針に反する違法な行為であった。

5 元西播磨県民局長に対して行った懲戒処分

(1)本件文書の作成・配布行為を処分理由の一つとしたことについて・・違法・無効

ア 特定事由

西播磨県民局長は、本件文書によって3号通報をした後、実際に通報者探索をされ、不利益な取扱いも受けた。兵庫県においては、元西播磨県民局長が本件文書の配布を行った当時( 3号通報を行った当時)、公益通報をした場合に不利益な取扱い等を受けるおそれが大きい状況があったものと考えられ、保護法3条3号イに該当する特定事由があると信ずるに足りる相当の理由がある場合であった。

イ 通報対象事実の真実相当性

事項4については、本調査委員会の調査によっても、真実とは認められなかった。ただし、例1については、贈収賄の事実を疑わせる間接事実があり、情報提供者の存在もうかがえるため、真実相当性が認められる。  

事項6については、本調査委員会の調査の結果、背任にあたる事実関係は認められなかったが、通報対象事実に関連する複数の重要な事実、及びそれら事実の関係の特殊性を総合考慮した上での相応に合理的な推論に基づくものであったと言えるから、 真実相当性があったものと認められる。

事項7については、調査の結果、齋藤知事の行為がパワハラに当たると認められた。また、本件文書に列挙されていない事実についても、齋藤知事にはパワハラに該当する言動があった。しかし、保護法5条による保護の対象となるには、単にパワハラがあったことについて真実相当性が認められることでは足りず、パワハラが暴行罪又は傷害罪等を構成することについての真実相当性が認められなければならない。

 ウ 保護法5条の要件を満たす事実

事項4の例1と事項6については、保護法5条の要件を満たし、通報者は保護される。よって、地方公務員法においても、これらの事項を通報したことをもって、不利益取扱いとしての懲戒処分を課すことは許されない。処分理由①による懲戒処分は、この点において、明らかに違法である

エ 保護法5条の要件を満たさず、通報者が保護を受け得ない部分についての検討

本件文書に対する県の対応は当初から利害関係者が関与し、違法な通報者探索行為を行うなど保護法の趣旨から見てその違法の程度は極めて大きい。本件文書のうち保護法5条及び9条後段による保護を受け得ない部分についても内部告発としての公益性があり懲戒処分の対象とする必要性に乏しい。したがって、本件文書を作成して配布した行為を懲戒処分の対象とすることは、公益通報該当性が認められない部分、真実相当性が認められない部分を含め、懲戒権者に与えられた裁量権の範囲を逸脱し、濫用するものであるから、違法であり、その部分について行われた懲戒処分は効力を有しない

  なお、本件文書が事項7で指摘した齋藤知事のパワハラ行為は、保護法によっては直接の保護を受け得ないものの、本調査委員会による調査によれば、その多くが真実であると認められた。知事のパワハラに関する本件文書の指摘は有益であり、保護法の観点を除いても、これを非違行為であるとすることはできず、この部分を懲戒処分の対象とすることは違法である。

第5 本件内部公益通報の調査結果を待たず、先行して懲戒処分を課したことについて・・・不相当

令和6年4月4日に元西播磨県民局長が県の担当窓口に内部公益通報した内容は、本件文書の項目のうち、五百旗頭氏関係のものを除いてすべての項目に係る事実が記載されていた。元西播磨県民局長に対する懲戒処分は、これを行うとしても、県政改革課の調査結果を待ち、公益通報としての保護が与えられる事案かどうかを確認してからすべきであった本件文書の作成・配布に関する懲戒処分を、齋藤知事の意向で、内部公益通報についての調査結果が出るのに先行して、令和6年5月7日に行ったことは相当ではなかった。