満島ひかりの出演が決定しているということなので，『フラガール』の李相日監督，妻夫木聡，深津絵里主演で2010年秋に公開が決定している映画『悪人』の原作（吉田修一，朝日文庫）を読んでみる。
一読した感想としては，初めから映画化を狙って書かれたような作品だなあ，と思った。つまり，小説として優れていて，文章から映像のイメージがむくむくと湧き上がってくるというより，最初から映画の映像がイメージされていて，それに沿って小説を書いたようだという感じ。いってみれば，映画のノベライズだ。
細かい分析はこれからだが，満島ひかりの役どころは，殺された石橋佳乃ではないかという気がする。そうだとしたら準主役級で，かなりの抜擢ということになる。 もう一人，ファッションヘルス嬢の金子美保も候補だが，こちらはあまり重要な役ではない。とはいえ，少ない出番の中で印象的な演技も見せることのできる役だ。ぜひ満島にとっていい映画になってほしいのだが・・・。
