『大日本人』がBSでやっていたので録画したのを、ようやく見た。
失敗作としてずいぶん酷評されているのは知っていたが、思ったほど悪くなかった。むしろ前半のフェイクドキュメンタリーの部分は好きだ。
他方、つまらないという意見も十分に理解できる。わざわざ映画でやるほどのもんじゃないとか、映画としての文法が分かっていない、という批判は的外れとは言えないだろう。
この作品は、映画館で見るのではなく、DVDを借りてみるか、録画したのを見るくらいのゆるい見方があっていると思う。
先日のNHKでの『MHK』にも同じことが言える。『ごっつええ感じ』が面白かったのは、日曜日の夜のフジテレビの緩さ加減とうまくマッチしていたからかもしれない。
「国営放送」のNHKで肩肘張って特集を組まれたり大々的に宣伝されたりした上で見るようなコントではない。
松本作品の最高峰はやはり『ビジュアルバム』だと思っているが、松本の映画作品にあのクオリティを求めるのはちょっと酷かな、と思う。でも彼の場合、自分でハードルを上げて自分を追い詰める傾向があるからなあ。
桂枝雀師匠のようにはなってくれるなよ。