INSTANT KARMA

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読書記録など

最近、買った本を最後まで読まないことが多くなった。

仕事の移動時間の時間つぶしに『短編工場』 (集英社文庫) というのを買ってみたがまだ最初の2編しか読んでいない。『かみさまの娘』(桜木紫乃)という最初の短編は面白かった。この作家は最新の直木賞を受賞したと後で知った。

あまちゃん」で時の人になっている宮藤官九郎『いまなんつった?』(文春文庫)というコラム集も途中まで読んだ。さすがに面白い。伏線とか小ネタとかが評価されているようだが、この人の作品の生命は対象を把握するスピード感とテンポ(間)にあると思った。 それにしても「あまちゃん」の震災編はどうなるんだろう。ちょっと不安もある。 現実のリアルな事件を扱ったフィクションには特有の問題がある。

それを強く感じたのが『永遠の0』(講談社文庫)という話題作だ。妻が買って来たのを読み始めたら面白くて一気に読めた。 読後、面白かった部分はどうやら既にある戦記物ノンフィクションからの引用で、感心しなかった部分は著者のオリジナルだったようだと分かり、さもありなんという感じ。 神風特攻隊という現実の存在を限りなくドキュメンタリーに近いフィクションとして描くことの難しさを考えさせられた。

同じことは、先日書いた映画『風立ちぬを観ても思った。神風特攻隊というテーマはエンターテイメント作品の中で扱うには余りにも・・・

7月の発売直後に買ったタモリ論』(新潮新書は、思ったよりスカスカで、昨年の『前田敦子はキリストを超えた』(ちくま新書)のようなハッタリ臭を感じた。

8月に読んだ坂口恭平『幻年時代』は、まだ自分の中で評価が定まらない。自分でも意外なのだが、どうも入りこめなかった。自分のコンディションの問題とかがあるのかもしれない。