War Is Over

 if you want it

文学関係

関直美年譜(暫定版)

1962年(昭和37年)0歳 7月7日 青森市で誕生。父・英市、母・節の長女。実家は「関ガラス店」を経営。 ひらひらの服とか着てたんですよ。しかも髪の毛が長かった。それで毎朝、お母さんとおばあちゃんがあたしの髪を三つ編みに結うの。で、「今日はどのリボ…

Perfect Days for a Jugle Cruise

…ロッキー・ブライアーは、最もつらかったのは軍隊での基礎訓練でも実戦の行軍でも、ヴェトナムでの戦場暮らしでさえもなかったと語っている。最もつらかったのは―「自分がいったいなんのために戦っているのか、それがさっぱりわからなかったことだよ。結局…

Ootani Yoshio's French Revolution

(フランス革命の標語「自由、平等、博愛」の)リベルテとは何か? 自由である。いかなる自由か? 誰もが法律の枠内で好き勝手なことをするという、万人に同一の自由である。好き勝手ができるのはいかなる時か? 百万フラン持っているときである。自由は各人…

カオルとイヅミ

稲葉 真弓「エンドレス・ワルツ」を全力のスピードで読む。 日本のシド&ナンシー?或いは只の共依存DVカップル。彼らほど有名でもドラマチックでも詩的でもないが似たような地獄或いは妄想天国に彷徨っている男女は今の日本にも数多存在する。島尾敏雄「死…

Nobody Before Me

大友良英と大谷能生の文章が読みたくて『阿部薫2020 僕の前に誰もいなかった』を読んでいたら、通勤電車の中で阿部薫を聴いているという人がいて、真似してみたらすごくよかった。 今まで、満員電車でイアホンで聴く音楽で最高だったのはVelvet Underground…

散文世界の散漫な散策

大谷能生「 散文世界の散漫な散策 二〇世紀の批評を読む(ブレインズ叢書2)」を読んだ。 大谷能生の本はどれも非常に面白く刺激的なのだが、この本は特に啓発的だった。 この本は、渋谷HEADZ事務所で2007年9月から翌年1月まで行った講義を元に作られたもので…

Novel's novel

似鳥鶏「小説の小説」という本を図書館で手に取り、面白そうだったので借りる。 著者については全く知らない。 まえがきを読んで面白そうだと思ったので借りた。 一篇目の「立体的な藪」は面白かった。 が、残りの三篇はちょっとキツくて読むのをやめてしま…

「東京タワー―オカンとボクと、時々、オトン」

「東京タワー―オカンとボクと、時々、オトン」を読んでの感想の続き。 感想というよりはメモ、個人的な備忘録のようなもの。 オカンが亡くなった後、ボクはそれまで訊ねることもなく、オカンも決して口にすることのなかった話をオトンから聞くことになる。 …

Tokyo Tower ~My Mom and ME, sometimes my Dad~

リリー・フランキー「東京タワー―オカンとボクと、時々、オトン」 (扶桑社)を読む。 著者の名前はもちろん知っていたし、この本がベストセラーであることも当然知っていたが、中身についてはまったく知らないで読んだ。この本のレビューにもまだ一切目を通し…

寒山拾得(備忘録)

寒山拾得(かんざんじっとく)の委しい評伝が読みたくなりネットを漁る。 寒山は、中国唐代(7世紀頃)、浙江省天台山に住んだ、修行者・禅僧であると言い伝えられ、その友人・拾得とともに、奇怪な風貌、常人離れした言動、奇瑞などにより、後世神聖化され…

吉田でGO

吉田豪の本が読みたくなり、プロレスには1ミリの興味もないのに『吉田豪の“最狂”全女伝説 女子プロレスラー・インタビュー集』(白夜書房、2017年)を図書館で借りた。たまたま「週刊プロレス」がリサイクル本のコーナーに廃棄本として大量に積まれていたの…

ゴダール・川端・ozawa

フランス映画の巨匠、ゴダール監督が亡くなった。スイスでは合法化されている自殺ほう助の方法を取ったという。91歳で、病魔に苦しんでいたというから、やむを得ない決断だったのかもしれない。ゴダールの映画は「勝手にしやがれ」しか見たことがないので何…

事件が起きない僕の人生はどうやらまちがっている

上田晋也「経験 この10年くらいのこと」と岩井勇気「僕の人生には事件が起きない」を立て続けに読んだ。両書とも余りの面白さに圧倒された。 一昨年に、芥川賞受賞作を順番に呼んでいてウンザリしていたところに西村賢太の私小説を読んでその面白さに衝撃を…

山田順三

漫才コンビ〈髭男爵〉の山田ルイ53世こと山田順三の書いた「ヒキコモリ漂流記」という本を読んだ。「完全版」と謳われた文庫の方ではなく、2015年に出た単行本の方をkindleで買って読んだ。 一読して唸った。これは、立派な私小説ではないか。 小学生の頃は…

宮水をめぐる便り

「すばる」2018年7月号掲載の小説・二瓶哲也「宮水をめぐる便り」を読む。 その前に読んだ「ヒマラヤ杉の年輪」がなかなか面白かったので、他の作品も読みたくなった。 この小説も、三十代の男性が総合病院の清掃作業員のバイト面接の返事を待っているとい…

鳥居と麺と現金と皿と

江戸時代の農家で雨で作業のない日など、一日何もせずに過ごす生活に、スマホやネットに一日接触しないだけで世界から取り残されたように感じる現代人は耐えられないのではないか。逆に言えば、スマホやネットから生み出される人の陰性感情に昔の人は無縁で…

ヒマラヤ杉の年輪

「文學界」2020年8月号掲載の小説、二瓶哲也『ヒマラヤ杉の年輪』を読む。 岡崎祥久の「キャッシュとディッシュ」が読みたくて図書館で借りたのだが、そちらの感想は別に書くとして、こっちも意外と面白かった。 四十過ぎて病院清掃員の仕事に就いた独身男性…

Killing w/ Kindness

政治というのは建前の世界で文学は本音の世界だから両立させるのは無理があると思う。両立させるというのは、両方で一流の仕事をするという意味で、石原慎太郎や今東光は両立させたとはいえない。ウィンストン・チャーチルはどうなんだと言われたら、チャー…

Don't invite me (if U hate me)

「文藝」2021年冬季号所収の綿矢りさ『嫌いなら呼ぶなよ』を読んだ。 単行本も出たようだが、わざわざ図書館で「文藝」のバックナンバーをコピーして移動中の車中で読んだ。ちなみにぼくが本を読むのに一番集中できるのは電車の中だ。 今回はネタバレなしで…

Permission (not 2 Dance)

「文學界」2022年2月号に掲載されている小説、岡崎祥久「パーミション」を読む。 この作家の小説は未読で名前も知らなかったが、文學界の「新人小説月評」に、砂川文次「ブラックボックス」がよかった人にはお勧めと書いてあったので読んでみようと思った。 …

夜空が暗いのは?

とうとう読みたい小説がなくなってしまった。 去年(2021年)の初め頃から、自宅にあった大江健三郎(妻の所有本)をきっかけにそれまで無縁だった〈純文学の世界〉にハマることを試みて、西村賢太の私小説の面白さにぶつかって、そこから川崎長太郎とか田中…

リアリズム廖

小谷野敦が藤堂志津子を論じた「藤堂志津子と日本のリアリズム」を読んで、なるほどと思った。日本の純文学(通俗小説は言うに及ばず)が抱きがちな恋愛幻想みたいなものがない、女の側から恋愛のリアリズムを衒いなく描いているという点を評価している。 他…

暑中残影

藤堂志津子「マドンナのごとく」を読む。1987年、札幌市の広告代理店に在籍中に書いた小説で、第21回北海道新聞文学賞を受賞(熊谷政江名義)。1988年、第99回直木三十五賞候補(翌年「熟れてゆく夏」で第100回直木三十五賞を受賞)。 例によって例のごとく…

川端康成初恋小説集(新潮文庫)

「川端康成初恋小説集」(新潮文庫)を買う。 『川端康成の運命のひと 伊藤初代:「非常」事件の真相』(森本穫、ミネルヴァ書房)を読んで、初代とのことについて書かれたアンソロジーがあれば読みたい、と思っていたら、丁度お誂え向きのがあった。 ネット…

はつよとやすなり(つづき)

昨日の記事のつづき。 川端は、初代からの掌返しの手紙に傷つき、別れを受け入れたが、その後も初代のことを相当引き摺っている。 初代の何がよかったのか。一つには、17,8歳以上の女性には興味が持てなかったという幼女趣味に加え、初代の勝気なところ…

『川端康成の運命のひと 伊藤初代:「非常」事件の真相』

『川端康成の運命のひと 伊藤初代:「非常」事件の真相』(森本穫、ミネルヴァ書房)という本を借りて読む。今年(2022年)4月に出たばかりの本。 手に取ったきっかけは、このブログにも書いた川端康成の「文芸時評」がとても面白く、ネットで川端について調…

Past Lovers

佐藤泰史の評伝を読んで、彼が熱心にアプローチしたという藤堂志津子の小説を読みたくなり、『別ればなし』と『昔の恋人』を借りて読んだ。 『別ればなし』は初出が「イン・ポケット」1998年8月号~10月号、講談社文庫の発売日が2002年6月14日。『昔の恋人』…

川端康成「文芸時評」

川端康成「文芸時評」から面白いとこを抜粋する。だが、この時評の面白さを真に味わうためには、全文を読む必要があるので、抜粋では伝わらないものが多い。それでも記録しておくのは、(何時になるか分からぬが)のちに読み返すときの指標とするためである…

Yellow or Not Yellow

砂川文次「99のブループリント」(230枚)目当てで借りた「文学界」2022年3月号に掲載されていた他の小説、加納愛子「黄色いか黄色くないか」(130枚)、戌井昭人「田舎のサイケ野郎」(110枚)も読んでみた。 どちらも面白く読めた。週末のひとときに自室で…

芥川賞と西村賢太

第167回芥川賞・直木賞(日本文学振興会主催)の選考会が20日、東京・築地の料亭「新喜楽」で開かれ、芥川賞は高瀬隼子(じゅんこ)さん(34)の「おいしいごはんが食べられますように」(群像1月号)、直木賞は窪美澄さん(56)の「夜に星を放つ…