INSTANT KARMA

We All Shine On

議題1

「言葉の殺傷能力。一つ一つのフレーズにそのような力の込められていない小説など読むに値しない。今流行の小説は皆、設定だけありきのハリボテのようなもので、言葉はただ設定の隙間を埋めるためにしか機能していない。例えば●●(話題の芥川賞作家)。あんなのは……」

 

娘が通う中学の国語教師がそんなことを言ったそうだ。確かに一理あるのかもしれない、と思う一方で、途方もない暴論のようにも思える。だから「最近どんな本を読みましたか?」と件(くだん)の国語教師から質問されたらどう答えるべきかについて家族会議の場でいつもの厳しい口調で詰問されたとき、咄嗟に答えることができなかった。

 

トルストイの『戦争と平和』を読みました、とでも言っておけば間違いはないよ」

 

そんな間抜けなことしか言えなかった自分が親としてよりも人間として不甲斐ない。

 

地下鉄の出口を出たすぐの信号が、青に変わって直ぐ渡り始めると、数歩踏み出した所で点滅しはじめ、渡り終える頃には赤に変わってしまう。俺が足早に歩いてこうなのだから、こんなことでは足の不自由な人やお年寄りは危なくて永久に渡ることができないではないか。目の前にある区役所に、いつものように頭の中で抗議して帰宅を急ぐ。

 

近所の住宅地を歩くと、やたらと解体される家屋が目立つ。この不況と関係があるのかないのか。消費税がまた上がるかもしれないというのに暴動も起きない。原爆を落とした国(アメリカ)の指導者が繰り返し「謝罪しない」と公言しても何も騒がない右翼の存在意義とは何なのか。

 

10代の頃ならこんな腐った世の中に気が狂いそうになって、エレファントカシマシ(今ならさしずめアジアンカンフージェネレーション(略してアジカン)という所だろうか)を聞きながら暗い目で俯いたまま街を歩き回っていた。

 

俺にとって唯一無二のキング(名前は王子)が死んでからというもの(まだ本当は生きていたというのに全部賭けたい気持ちは捨てていない)、何もいいことがない。今日は俺の大好きな女優が離婚していて、もう新しい男(かつてドラマで共演した俳優の弟?)と付き合っているとかいうニュースが流れていた。

 

彼女が去年シェークスピアの「ハムレット」でオフィーリアを演じた時に演出したのが故蜷川幸雄

 

何でどいつもこいつも死んじまうんだろう(まあ蜷川幸雄は大往生と言っていいと思うが)。

 

毎朝つけっぱなしのテレビから流れてくる宇多田ヒカルの曲がこそばゆくて仕方がない。あのR&Bテイストは日本の朝のお茶の間には似合わないという意見がもっと出てこないといけないのではないか。

 

ベネズエラの左派政権を率いるマドゥロ大統領は、アメリカによるクーデター計画があるなどとして60日間の非常事態を宣言しているが、今後の混乱も想定されるとして、原油先物価格が上昇し、これで株が買われている。

 

今回の非常事態宣言は野党側の罷免要求の動きを封じ込めるために行われたと見られているが、これで国民の間に不満が高まり、より一層混乱が近くなったのかもしれない。

 

年率60%を超えるインフレ、頻発する停電等、経済が破綻状態にあるベネズエラだが、今回の強硬姿勢で暴動が起これば原油生産が止まる可能性もある。

 

先般のカナダ・アルバータ州のオイルサンド地域の火災で原油価格が上昇したことでも明らかなとおり、今、原油市場に追い風が吹いており、ヘッジファンド原油先物への投資を積極化させており、更には金鉱株への投資も積極化させており、今までとは違った動きをしている。

 

<オイルサンド火災>が沈静化した後、<ベネズエラ非常事態宣言>であり、明らかに原油市場にはフォローの風が吹いている。

 

ただ、いずれも需要には一切関係ないところの話であり、いずれ実需の実態に合わせた価格になるはずであり、今はヘッジファンドや投機筋の動きに翻弄されているだけだ。

 

世界的な原油実需は景気の悪化もあり減少しているが、これからアメリカはガソリン消費が増える時期に入るため、一見需要が強く見える時期に入る。

 

中国が原油購入を増やしており、これは産油国へのアピールと思われ、当分は原油市場は強含みとなるかもしれない。