このブログも、いい感じにアクセス数が減ってきたので、さらに好き放題書いちゃうぞ。
書く目的は100%現実逃避。妄想雑記帳。
そーれヒットエンドラン。今は昔。
木下古栗 『グローバライズ』 読了。
先日、「中原昌也と同じ」と言うようなことを述べたのだが、通して読むと、「最も狂っていた頃の筒井康隆が純文学に挑戦してみました、という感じ」と述べる方が適切な気がしてきた。
全頁から立ち上る狂気の匂い。圧巻は一篇ごとに訪れるが、普遍的なのは「道」の漢淫語であろう。。。
個人的には「観光」の黒人によるHIPHOPライムの洪水みたいなのに惹かれた。
これぞ「声に出して読みたい日本語(訳)」。誰か英語に訳してほしい。
極端に抑制された筆致のために意味が分からない短編がいくつかある。
しつこいほどに繰り返される
We are the world, we are the children
We are the ones who make a brighter day
So let's start giving
There's a choice we're making
We're saving our own lives
It's true we'll make a better day
Just you and me
その後にどうせ惨事が待ち構えているのが分かりきっているので頁を捲る手が震えざるを得ない。
で、やっぱり来る。や、っ、ぱ、り。
こんなの吉田戦車やしりあがり寿やうすた京介がとっくにマンガの中でやっていることじゃないか。
とは言うなかれ。
舐めた気でいると、最後の「グローバライズ」で腰を抜かすことになる。
この路線(筒井康隆の狂気)と、あの路線(中原昌也のエピゴーネン)のどちらかいいか、は読者によって好みが分かれるところだと思う。
どっちにしても卓越したユーモア小説であることに変わりはない。
俺もこうやって狂っていくのかなあ、と頭の隅で冷や汗をかきながら、声を殺して笑うしかない。
僕らは世界、僕らは子供たち
明るい明日を作るのは僕らの仕事
さあ今こそ始めよう
選ぶのは君だ
それは自らのいのちを救うこと
本当さ、住みよい世界を作るのさ
君と僕で・・・