INSTANT KARMA

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セールスマンの死

行きの移動時間にアーサー・ミラーセールスマンの死読む。  社会批判や家族の問題など、色々な読み方のできる戯曲で、これを30代で書き上げた才能は凄い。今の自分には父と息子の葛藤が胸に刺さった。 帰りに宮沢清六『兄のトランク』読む。

賢治の弟さんの文章をまとめたもの。彼が賢治の死後、トランクの内ポケットに入っていた黒い手帳を見つけなかったら、『雨ニモ負マケズ』は世に出なかった。 賢治の聞いていたレコードのことも興味深い。花巻市の店で異常に海外のクラシック輸入盤が売れるので、その店がレコード会社から表彰されたとか。レコードを買っていたのは実は地元の中学教師(賢治)一人だったのだが。 父親と信仰上の問題で対立して岩手の家を飛び出した賢治は、文京区本郷の下宿で1,2か月の間に6千枚分の童話を書いた。トランクに詰まったその原稿を弟(清六)に託し、どこかで出版してもらってくれたと頼まれたもののどうしていいか分からず、婦人公論に持ち込んだが社風に合わないと断られ、そのまま家の倉庫に放りっぱなしになっていたとか、すごい話がいっぱい。 清六さんはSFやアニメが好きで、本が出た当時NHKで放送していた『未来少年コナン』のファンだったとか。今もご存命なら、『あまちゃん』や『この世界の片隅に』を見てくださっていたのではなかろうか。