War Is Over

 if you want it

スタヴローギンの顔

「悪霊」より、仮面のような顔のスタヴローギン

「すばらしい。赤ん坊の頭をぐしゃぐしゃに叩きつぶす者がいても、やっぱりすばらしい。叩きつぶさない者も、やっぱりすばらしい。すべてがすばらしい。すべてがです。すべてがすばらしいことを知る者には、すばらしい。もしみなが、すばらしいことを知るようになれば、すばらしくなるのだけれど、すばらしいことを知らないうちは、ひとつもすばらしくないでしょうよ。ぼくの考えはこれですべてです、これだけ、ほかには何もありません」 (『悪霊』のキリーロフの台詞より)

ドストエフスキー『悪霊』の主人公スラヴローギンの顔は、いろんな風に描かれ、映画にもなっているが、いちばんしっくりくるのが、上に掲げた画だ。 この顔を見ると、真にぞっとする。ドストエフスキーがいうところの、「冷ややかな、冷静な、もしそんな言い方ができるとすれば、理性的な憎悪、したがって、もっとも醜悪な、ありうるかぎりのもっとも恐ろしい憎悪」とは、まさにこういう顔に宿るのであろう、と思われる。 そして、こういう顔の持ち主を、ぼくは確かに無意識のうちに知っている、という気がして仕方がない。