INSTANT KARMA

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Eighth Clown

第71期王座戦第四局は藤井聡太七冠が永瀬王座を降し、三勝一敗で王座を奪取。

史上初の八冠・全タイトル制覇を達成した。

 

王座戦第三局の逆転も凄かったが、この第四局はそれを上回るとんでもない大逆転だった。終盤までは永瀬が押し気味で、ギリギリの局面が続き、何度も評価値が逆転する手に汗にぎる攻防が続いていたが、とうとう評価値が100%、つまり永瀬の必勝の局面となった。

ところが、普段の永瀬なら絶対に間違えないと断言できるこの局面で、痛恨の見逃しにより逆転を許す一手を指してしまった。

藤井聡太のデビュー29連勝の時にも、完全に負けの局面からの逆転を何度も見たが、今日の将棋なども、「こんなことがあってたまるか」と叫びたくなるような、もはや「どんなことがあっても藤井聡太が勝つことになっていた」としか思えない人間を超えた超常現象レベルで、何か天命みたいなものを感じざるを得ない。

 

藤井聡太氏に関しては、人類の歴史におけるこの瞬間にこの将棋を勝つことが定められていたのではないか、とでも思いたくなるような絶妙のタイミングで事が起こり続けているのである。

 

自らのミスに気付いた永瀬王座の頭を掻きむしり心の中で地団太を踏んでいる様子を前に、藤井聡太はそんな永瀬の姿を目にしないようにずっと下を見ていたのが印象的だった。

 

本日をもって、将棋界は新しい時代に突入したといえるのではないか。

「藤井八冠」以後の将棋界は、一体どんな世界になるのか。

見たことのない風景を見るワクワクが止まらない。