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2005年

 

高橋みなみ卒業「やり切りました」

2016年4月9日 デイリースポーツオンライン

AKB48の高橋みなみが25歳の誕生日を迎えた8日、東京・秋葉原の専用劇場で卒業公演を行った。「これからを任せられるメンバーに出会えたことは宝物。未来を託して私も前に進みたいと思います」と涙で別れのあいさつ。オープニングでアカペラ独唱した「桜の花びらたち」をラストで再び、前田敦子(24)ら卒業生も含む出演者89人で大合唱し、アイドルとしての“3775日の青春”を締めくくった。

4月8日生まれ、身長148・5センチ、“48の申し子”に旅立ちの順番が来た。たった7人のファンが見守った劇場デビューから3775日。ラストステージ、250席をめぐる抽選倍率は歴代4位の252・8倍だった。

アンコールで涙ながらに「終わっちゃうなぁ…」とつぶやき、別れの言葉を続けた。「今日でやり残したことが本当になくなりました。やり切りました。ただただ10年感謝です。最高に幸せでした」。1期生の小嶋陽菜(27)、峯岸みなみ(23)と3人で袖に下がる時、右手で舞台を3回叩いてサヨナラの合図とした。

劣等生からのスタートだった。2005年12月8日、AKBが劇場で最初に歌った公演曲「PARTYが始まるよ」。デビュー直前、踊りが苦手な高橋のために全員の振り付けが変更される挫折を味わった。

朝5時まで自宅で練習を繰り返す日々。1年後にはスタッフからダンスの模範に挙げられるほど上達し「『努力は必ず報われる』って本当でした」と座右の銘を胸に刻んだ。後輩たちは高橋の背中を見続け、頼った。

この日のセットリストは自ら考案し、2曲目が「PARTY−」。高橋がAKBの転機の曲とする「大声ダイヤモンド」も織り交ぜ、20曲全てのパフォーマンスに参加した。

中森明菜に憧れていた14歳は「私の夢に近づけそう」とAKBの門をくぐった。卒業式を迎え、心に浮かんだ思いを言葉にした。

前へ前へ−。「AKBでの経験ってとんでもないこと。過去がすご過ぎるから、そこにとらわれると負けてしまう」。後ろは振り向かない。“アイドルたかみな”と決別した“高橋みなみ”は、幼い頃からの夢である歌手道を、前だけを見て突き進む。