斎藤環が「生き延びるためのラカン」で尊敬(転移)の対象として言及していた精神科医中井久夫のエッセイ集「精神科医がものを書くとき」(ちくま学芸文庫)を長距離移動中に読み始めたら夢中になってしまった。
昨年に亡くなったことを知り、昨年末に斎藤環が監修したNHK「100分DE名著」の中井久夫スペシャルのテキストも出先で購入し、一気に読む。
感想は改めて書くが、中井はあるアメリカの学者に「どうして日本の政治家は魅力がないのか。他の国ならあれくらいの政治家ばかりだと潰れてしまう」と問われて、「日本は有名な人っていうのはたいしたことはない。無名な人が偉いので、こういう人が国を支えているのだろう」と答えたという。
まだ彼の仕事のサワリを知ったにすぎないが、日本は中井久夫のような人たちによって支えられてきたのだなと思った。