湊 …今日のんさんがお話しされている様子を見ていて、ずっと誰かに似ていると思っていたんですけど、将棋の藤井聡太くんに似ているんだな、と今気づきました。私、藤井くんの対局を生で2回見せていただいたことがあるんですけど、勝手ながら、藤井くんの将棋盤に向かう姿と、のんさんの物語に向かう姿がすごく重なって見えました。
のん えぇっ……! 嬉しいです。どんなところが似ていますか?
湊 藤井くんの勝負を見たときに、プロの棋士というのは、事前の研究や予想で駒を動かすだけでなく、大局観といって、局面ごとにベストな選択ができることが大切なんだな、とひしひしと感じまして、今日は同じ空気をのんさんからも感じました。
湊かなえは読んだことがなく、読みたいと思ったこともないのだが、西村賢太が対談したり帯を依頼したりしているし(「蠕動で渉れ、汚泥の川を」)、のんさんの朗読でなら、と思ってAudibleのページで「おためし」を聞いてみたら、冒頭1分で滂沱の涙が出てきて止まらなくなってしまったので慌てて消した。
これは7年前に「この世界の片隅に」を見た時と同じ現象で、まったく内容とは無関係に、彼女の声だけでやられてしまっている。
こんなことではいけないので、ちょっと仕切り直しだ。
この動画でも見て心を落ち着けよう。