INSTANT KARMA

We All Shine On

悪魔

少し前に、主にブレイク前の発言を中心に語録みたいなものを作ったが、ここ最近の発言で興味深いものを並べてみる。網羅的な発言録としては、有志による鳥居みゆきwikiがあるので、これはあくまでも個人的な備忘録のようなもの。出典はめんどくさいから書かない。

(映画について)

「映画大好き。ヴェルナー・ヘルツォーク監督とか、ユルグ・ブットゲライト監督とか好きです。ドイツ映画大好き。『死の王』とかは毎日観てますよ。『エル・トポ』とか。救いようのない、謎を残したままなのが好き。」※1

「(人生の中の1本は)『小人の饗宴』ですね。あと『ネクロマンティック』も好き。DVD、廃盤だけど持ってるんです」 (崇拝する役者はクラウス・キンスキー。『キンスキー、わが最愛の敵』はヘルツォーク監督が自身の姿を盟友キンスキーに重ね、愛憎こもごもに撮った映画だが、その関係にあこがれるという。) 「私、キンスキーを見て、こうなりてぇなと思ったんですよ。昔よく見てましたね。『アギーレ/神の怒り』とか。入りこんじゃうんですよね。」

杉浦茂の漫画について)

「もうなんかここのフリとかも関係なしにでしょ。関係なしで、ここで振っといたくせに関係なしで違うとこへ行くでしょ。あのシュールには、一生たってもかないません」※2

(のいるこいるについて)

「合わせようって気がないんですもん、世間に。なのにちゃんとお茶の間に受け入れられるようにしているのがすごい。マネせざるをえないと思い、高校卒業後、お笑いを志しました」※3

エレファントカシマシの『歴史』について)

「あの歌、盛り上がるところが滅茶苦茶じゃないですか。『ここで盛り上がるの?』 『その詞で盛り上がっちゃうの?』っていう。それがすっごい面白くて、私もそういうのやろうと思ってね。みんなが期待している『こうボケるだろうな』と思うところを違うボケ方してやろう、とか。変なところで声デカくしてやろうとか」※4

ヒトラーについて)

「やっぱりあの演技力はすごいなと思って。思想がなくても、渡されたものを完璧にこなせるじゃないですか。そういうところはすごい。みんなを巻き込む力を持ってるってことは、やっぱりそれは魅力がある。ああいう風になりたい。それで、ここら辺に落ちてる石とかを50万円とかで売りたいです」※5

(芸人について)

「テレビに出たくてしょうがなくて、それでも出られないっていう人が、『アングラだから』って言い訳に使うのもどうかと思いますね。・・・スケッチブックをバカにしてスケッチブック・ネタをやってるっていう。全部をバカにしてるっていう。かといって奇を衒ってるだけにはなりたくないんで」※6

(自分の芸について)

「言葉にはちょっとこだわりたいなと思ったんですけど。今回作ったDVDの中でも、『大騒動』って言ってる言葉があるんですけど、そこは『だいそうどう』じゃないといけないじゃないですか。でもそこはあえて響きで『おおそうどう』にした。私ね、響きにこだわるんです。だからね、言語野を刺激するネタを作りたいなと思ってたんですよ」 「私、惨めだったら惨めなほど嬉しいんです。『こんな私どう?』って思って目がギラギラしてしまう。ヒットエンドランだって、10人に1人も笑わないかもしれないじゃないですか。でも自分が面白いと思えばそれでいいと思う」 「自分の思い描いた世界で最後に自分が死ぬっていう。本当は全員が死ぬ、不幸になる、気味が悪い長いコントをやりたいんです。今は自粛してるんですけど、いつか突発的にやってみたいなぁって思ってます」※7

※1 僕は映画の趣味は鳥居とは一致しないが、これらの監督の映画がよく上映されていたBOX東中野にはよく出入りしていた。同じ時期に彼女もあの小さな映画館でカルト系作品を見ていたのだろうな、と思うとなんだか感慨深い。

※2 ちなみにこの不世出の天才漫画家が亡くなったのは2000年4月23日。

※3 ちなみに1976年のNHK新人漫才コンクールでのいるこいるはツービートを抑えて優勝している。

※4 鳥居は宮本を見て髪をグシャグシャにする癖が正当化されたと感じたらしい。今僕が鳥居を見て感じるドキドキ感は確かに宮本がTVに出始めた頃に感じたそれと似ている。

※5 ヒトラーも憑依体質だったから確かに鳥居との親和性はある。せいぜいのめり込み過ぎてヒトラーの霊に乗っ取られないように気をつけてほしい。

※6 アングラ指向でもないし、メジャー指向でもない。すべてに唾を吐きかけるために一番上に立ってやるんだってことか。

※7 このコントの最後にはきっと鳥居の最高の笑顔が見られるんだろう。精神科医を殺した後の「ハッピーマンデーッ!」よりもさらに素敵な。