昨日、前田敦子の最後の劇場公演がyoutubeで生中継されていたので、初めて劇場公演を最初から最後まで通しで観た。
A6thの「目撃者」公演だったが、テレビや大型舞台でのコンサートとは違い、生で見ているわけではないのに臨場感が伝わってきた。
特に『命の意味』や『I'm crying』のような歌をやっているときの前田はじめメンバーの表情がすごくよかった。テレビ中継されたいつもの(すっかり食傷気味の)ヒットメドレーではなく、あの『命の意味』と『I'm crying』を中継した方がずっとAKBの魅力的な姿を伝えられたのにと思う。
『目撃者』公演のセットリストが終わると、選抜メンバーが出て来て、テレビ向けパフォーマンスが始まった。正直前田は疲れていた。ドームで三日間連続公演の後にこれだけのことをしてよく倒れないでいられるものだと思う。
その後、選抜メンバーひとりひとりから前田への「贈る言葉」のコーナーになった。
一人の女の子のために捧げられた、この演出過多で冗長な時間が、すべてCM抜きで全国放送で生中継されたというのは異常なことだと思う。
しかし2○時間テレビなどとは違って、この空間には何かつくりものでない、地上の人間の思惑を超えたなにか神聖で真実なものが充溢していたため、このような異常事態が許されている気がした。
そこで誰が語っているかは問題ではなかった。語られていること(ありがとうとか頑張ってとか服をくださいとか)も問題ではなかった。
それはAKBという「言語ゲーム」に日本人全体、否世界全体が(好むと好まざるとに関わらず)参入した瞬間であった。
そして、前田敦子の卒業で、何かが終わった。
何が始まるのかは、これから明らかになるだろう。