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Doors of Perception

最近ドアーズばかり聴いていて、ドアーズについての情報を求めてネットを漁っていたら、ジム・モリソンの妻パトリシア・ケニーリーが今年の7月に75歳で亡くなっていたのを知った。

ジム・モリソンの恋人と言えばパメラが有名だが、付き合ったのはパトリシアの方が先だったのか。パメラはジムがパリのホテルのバスタブで死んでいるのを発見し(他殺説もあり)、彼女自身三年後にオーバードーズで死んでいる。

ザ・ドアーズというバンド名はオルダス・ハクスレーの『知覚の扉』から採ったことは有名で、「知覚の扉 the doors of perception」というフレーズはウィリアム・ブレイクの「天国と地獄の結婚」という詩から採ったもので、ジム・モリソンはたぶんブレイクを意識していたのだと思う。

ハクスレーの『知覚の扉』という本は、幻覚剤メスカリンを服用した際の体験について書かれた本で、六十年代のドラッグ・カルチャーに大きな影響を与えたと言われているが、実はこの本にもネタ元があって、それがウスペンスキーという神秘思想家の「新しい宇宙像」という本に収録されている「実験的神秘主義」という文章なのである。

ウスペンスキーは、神秘体験というものに興味があったのではなく、「その体験の最中に自己観察ができるか」、というテーマに取り組んだのだと述べている。

神秘主義それ自体はそれほど私の興味を引かない。しかしながら、もし我々が意識状態を意図的に変えることができ、同時に自己観察の能力を保持することができれば、それはまったく新しい自己研究の材料を与えることであろう。我々は常に自分自身を同一の角度からしか見ない。もし私の推測が正しいことが分かれば、それは我々が自分自身をまったく新しい予期せぬ角度から見ることができることを意味する。