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トマス・ピンチョンがダメだった理由(わけ)

図書館でトマス・ピンチョンの本を借りて読もうとしたが、まるでダメだった。

「スロー・ラーナー」 (ちくま文庫)

「V.〈上・下〉」(新潮社)

「競売ナンバー49の叫び」 (ちくま文庫)

重力の虹〈上・下〉」(新潮社)

どれも最後まで読み通すことができず、「重力の虹」に至っては冒頭部分ですでに諦めた。

現代アメリカ作家の最高峰と評価されているはずのピンチョン、保坂和志がやけに高く評価している(らしい)ピンチョン、何かというと名前を目にするピンチョンが読めないのは自分の側に責任があるのではないかと思ってネットを血眼になって探したら、結論めいたものがすでに書かれていた。

オーウェル1984年』序文からわかる、ピンチョンのつまらなさとアナクロ

Executive Summary
トマス・ピンチョンオーウェル1984年』序文は、まったく構造化されず、思いつきを羅列しただけ。何の脈絡も論理の筋もない。しかもその思いつきもつまらないものばかり。唯一見るべきは、「補遺;ニュースピークの原理」が過去形で書かれていることにこめられた希望だけ。だが、考えて見れば、ピンチョンはすべて雑然とした羅列しかできない人ではある。それを複雑な世界の反映となる豊穣な猥雑さだと思ってみんなもてはやしてきた。だが実はそれは、読者側の深読みにすぎないのかもしれない。そしてその深読みが匂わせる陰謀論が意味ありげだった時代——つまり大きな世界構造がしっかりあって、裏の世界が意味をもった60-80年代——にはそれで通ったのに、1990年代以降はもっと露骨な陰謀論が表に出てきてしまい、ピンチョン的な匂わせるだけの陰謀論は無意味になった。それがかれの最近の作品に見られるつまらなさ、無意味さの原因となっている。

山形浩生の「経済のトリセツ」より

さらに中原昌也がこう書いているのを知って、勇気づけられた。

 久々に『競売ナンバー49の叫び』を読んで、僕の敵がわかった,ピンチョンですよ、敵は。
 というより、アメリカ人が大好きな陰謀史観に対して、すべてノーといわなければいけない。僕だって妄想を抱えているけれど、物語というのはすべて陰謀史観でしょう。陰謀史観というか、関係妄想。僕はそれに悩まされ続けてきたわけだし、妄想を否定する唯一の手段は、小説を書かないこと。つまり、現実を物語として構築しないこと。(略)
 だから、ピンチョンみたいな下らないものにうつつを抜かしちゃいかん。バロウズ陰謀史観の人ですけれど、あの人は陰謀なんかまったく信じていなくて、ただ人を煙に巻きたいだけだから許さない。

「死んでも何も残さない―中原昌也自伝」より

もう上記に指摘されていることに尽きるのだが、ピンチョンの小説は結局複雑なエンタメにすぎないんだよね。文学じゃないってこと。僕はそう思った。

エンタメの定義は、「答えありき」で書かれてるということ。ピンチョンの小説は、答えを分かりにくく書いてある(またはその存在を匂わせている)だけで、人間存在の深奥の謎や本当の意味での得体の知れなさ(神秘性)にまともに向き合っていない、と感じた。

乱暴なことを言うな、と言われたら、すみません。僕はそう感じましたとしか言えないです。

 

あとこれは完全に蛇足だが、このピンチョンという作家は、徹底的に素性を明らかにしないことで知られているようだが、そもそも人物として怪しいんだよね。

大学を中退して軍隊に勤務し、その後でボーイング社に入社して、航空機関連の取扱説明書を書いたりしている。

重力の虹」のテーマは、ドイツが開発していたV2ロケットリバースエンジニアリング。その他にもCIAとのつながりがあるという噂とか、諜報機関についての知識が詳しすぎるとか、プンプン臭ってくるんだよな。

小説家というのは仮の姿で、何かヤバい仕事に従事してた(してる)んじゃないのか?

―――などと考えるのもまた陰謀史観でしかないのでアウト。

 

ライバルに差をつけろ!トマス・ピンチョンの代表作『重力の虹』が15分で分かる特別講座!

 

「20世紀後半の英語圏文学のなかで、もっとも詳しく研究されている一冊」と言われ、難解で知られるトマス・ピンチョンの長編小説『重力の虹Gravity's Rainbow』のキモを太陽系一分かりやすく解説します。

 

物語の舞台は、1944年12月、第二次大戦中のロンドン。ロンドン市街地には、ドイツから発射されるV2ロケットが連日着弾している。

主人公のタイロン・スロースロップは1918年8月31日生まれ、1944年12月(物語開始時点)の26歳のアメリカ人。ハーヴァード大学卒業後、アメリカ軍(?)に所属し、現在はロンドンのACHTUNG(連合国軍情報局技術部)と呼ばれる部門にいる。

英軍の精神病系の部門PISCESではスロースロップの勃起とロケット着弾地の関係についての研究を行っており、朝、目が覚めると隣の部屋から音がして、スロースロップの服や荷物一式が盗まれている。カーテンをかぶって追いかけるが、結局取り返せず。
居合わせたブロートに英国軍の制服を借りに部屋に戻るとスロースロップの荷物はやはり全部なくなっているし、マッカー=マフィックの部屋も。
しかもマッカー=マフィックもいない。

日本では2024年か2025年頃には、金融システムの何らかの改変が行われる可能性がある。全世界の金融システム全体が転覆することで、すべての国の既存の国家債務が新たに再編成され、一般国民のみが損害を被るような形になる。

年金機関は、年金受給者の高齢化により資金が不足し、なおかつ、年金受給者の数が増加しているため、もはや年金を支払うことができなくなる。

今後、ますます高齢化が進み、80年後(2024年)には多くの高齢者が経済的に苦しくなり、不幸にも子どもや孫から見放され、最終的には多くの自殺者を出すことになる。

あまりにも急速な技術開発とその影響により、地球人の大多数の脳、すなわち地球の専門家によって「前頭前野」と呼ばれる脳器官に非常にネガティブな変化が起こる。それは非常に強力に、永久に影響を受けることになる。

人類が倫理観と道徳観を欠如させる結果、病気や肉体的な奇形のある人を、不治の病などとして、「安楽死」の名の下に排除するようになる。肉体や精神に障害を持つ人は、新生児であれ同様。将来的に社会の負担になるため、安楽死させる。

高等知性体がアバブ・トップシークレットとして命令しているので、2024年の米大統領選挙ではトランプ大統領が再選されるが、UFO情報は今後もアバブ・トップシークレットのままに終わる。2016年のヒラリー・クリントン候補が、UFO情報を調べて情報を公開すると公約していたのですが、残念な結果になりました。ついでながら、第42代大統領ビル・クリントンは、UFO問題に強い関心を持っていたといわれます。しかし、大統領ですらアバブ・トップシークレットの壁に阻まれて、「米軍の最高指揮官ですらコントロールできない問題だ」と、嘆いていたといわれます。スキャンダル事件もあり、何かそれが関係したのかもしれません。

(以下有料)