INSTANT KARMA

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末世

営利のもっとも自由な地域であるアメリカ合衆国では、営利活動は宗教的・倫理的な意味を取り去られていて、今では純粋な競争の感情に結び付く傾向があり、その結果、スポーツの性格を帯びることさえ稀ではない。将来この鉄の檻の中に住む者は誰なのか、そして、この巨大な発展が終わるとき、まったく新しい預言者たちが現れるのか、あるいはかつての思想や理想の力強い復活が起こるのか、それとも――そのどちらでもなくて――一種の異常な尊大さで粉飾された機械的化石と化することになるのか、まだ誰にも分からない。それはそれとして、こうした文化発展の最後に現れる「末人たち」(letzte Menschen)にとっては、次の言葉が真理となるのではなかろうか。「精神のない専門人、心情のない享楽人。この〈無のもの(ニヒツ)〉は、人間性のかつて達したことのない段階にまですでに登りつめた、と自惚れるだろう」と。

マックス・ウェーバープロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』(大塚久雄訳)

1920年ウェーバーがこのような予言的な章句を残して一世紀が過ぎたが、資本主義の巨大な発展はまだ終わっていないし、その異常な尊大さも失ってはいない。

「精神のない専門人、心情のない享楽人」とは現代人の描写としてこれ以上に的確な表現を思いつかない。

そしてこの「末人たち」は、人間性のかつて達したことのない段階にまで――人工知能(AI)の力を借りて――すでに登りつめたと自惚れているではないか。

だがそのAIなるものも「粉飾された機械的化石」と化すであろうというウェーバーの予言もまた現実となるのだろう。

 

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ギャンブルと言えばドストエフスキーの「賭博者」を読むのが一番いいと思う。