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名言至極

はてなブログにログインするときにパスキーを登録せよと変な表示が出てウザい。余計なことをするのをやめてほしい。こういう余計なところばっかりセキュリティが強化されて面倒になる一方で、マイナンバーで全部の個人口座が紐付けされる口座管理法がろくすっぽ国民にアナウンスもないまま本日付で施行されたことが腹立たしい。エイプリル・フールじゃないよ。

 

小谷野敦『美人好きは罪悪か?』(ちくま新書788)というのは図書館のリサイクルコーナーから持って帰って来た本だが、いざ読み始めると名言の宝庫。

「美人に疲れる」と書いたが、これは、特定の美人に翻弄されて疲れるという意味ではない。・・・要するに、美人などというのは、たくさんいるのである。今の日本で、二十代の女性は七百万人くらい、三十代前半まで入れれば一千万人を超える。十人に一人の美人なら七十万から百万、百人に一人という美人でも、七万人から十万人いるのである。そんな中で、われわれが「美人」と言っているのは、身近にいる人、女優やアイドル、またたまたま街中で会った人などだが、身近にいる人の数は昔とさほど変わらないにしても、こんなに次々と雑誌や写真集で美人が出てきて、しかも今ではインターネットで「画像検索」ができたりすると、美人なんかざくざくといるのであって、そのくせ、私同様、というような男が、自分の周囲に、自分とつきあってくれる美人を見出すのはなかなか難しい、という状況が、ある疲れをもたらすのである。

赤坂さんとの対談の趣旨は、最近は恋愛にもセックスにも淡白な若者が増えている、ということだったのだが、それはやはり女の社会進出とか、フェミニズムの広まりとかによって男が精神的に去勢されつつあるということだろう。私の推測を言うならば、もともとフェミニズムは、女たらしとか、あちこちでセックスをしまくるとか、そういう強い男を倒そうという目的もあったのに、そういう男には、あまりフェミニズムの「毒」は効かず、もともと生命力が弱いような男たちに効いてしまった、ということではないかと思う。

今から二十年近く前に書かれた本だが、現在の状況を的確に捉えていると思う。