もう少し続ける。
公開予定が当初の2週間からさらに2週間延長されるそうだ。
まあ素直に喜ぶべきことだろう。
おかげでもう1回くらい観に行けそうだ。
ネット上での感想を見ても,ほぼ絶賛一色に塗りつぶされている。
これほどの高評価の要因を分析してみると,一つには,「当初のハードルが低かった」ことがあげられると思う。
つまり,50歳のマイケルが,健康不安説も流れる中,キレキレのダンスを期待できるとは思われていなかったということ。
その期待値の低さと,映画での素晴らしいダンスとのギャップにやられたことが一つ。
さらに,「しょせんリハーサル映像だから」ということでハードルが低かったこともある。
これと関連するが,映画を観た人に,「これがリハーサルだとしたら,本番ではどんな凄いことになっていたんだろう」という幻のショーへの期待を抱かせたことも,マイケルという存在の(欠落の)大きさを実感させる要因となっている。
もちろん,このことだけではすべての説明はつかない。
マイケルの歌,ダンスの見事さが高評価の第一の要因であることは間違いないのだから。先述の,彼の人間性を垣間見せる巧みな構成も大きな魅力だ。
結果的にこの作品は,期せずして史上最高のメイキング・フィルムになってしまった。