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祝ベッキー復帰の巻

【前回のあらすじ】

Daigo(メンタリストではない方)が北川景子に……すわ新婚早々夫婦生活の危機か? との情報に接した筆者が真偽を確かめるべくコンビニに飛び込むも目的を果たせず。さてどうすれば…?

ベッキー(ベックではない方)がやっと復帰するとか。ゲスの極み乙女のボーカリストの(元)奥さんに直接謝罪したんだとか。

不倫と売春は社会的にはアウトだが、それがない人間社会は有史以来存在しないのも真実。

今回は不倫とは何かについて少し掘り下げて考えてみたい。

 

【不倫の定義とは】

日本の法律では、不倫や浮気という用語は使用されていない。もちろん定義もない。

ただし「不貞行為」は離婚原因となることが民法に定められている。

不貞行為とは、貞操義務に反すること、つまり結婚している男女が自由意思で配偶者以外の異性と性的交渉を持つことをいう。

性交渉を伴えば、一時的なものか継続的なものかを問わず、金銭による女性との性交渉(いわゆる買春)も不貞行為に含まれる。

民法においては、不貞行為は「姦通罪」として刑事罰の対象となったが、現在ではそのような規定はない。すなわち刑法上の責任が問われることはない(強姦や強制わいせつは別)。

現在の日本の裁判では、特定の異性に強く惹かれたとか、デートをした、キスをしたという程度では不倫とはいえず、民法で定められた不貞行為に該当するとはいえないというのが通説である。

 

【倫理上の不倫とは】

倫理上の不倫とは、男女の関係が道に外れることをいう。

ここでいう「道に外れる」の定義は、時代や社会や伝統によって異なる。

近親相姦のようなタブー(禁忌)とは異なり、倫理は時代と共に変遷するものである。

民族によっては、一夫多妻制を認めているケースもあり、日本においても比較的最近まで夫が妾を囲うことが公然と認められていた。お妾さん(二号さん、三号さん以下略)は、日陰の華として表舞台には出ることなく、慎ましく生きることが美徳とされていた。

一方、わが国では前述のとおり妻の不倫は「不義密通の罪」「姦通罪」として厳しく罰せられた。現代の日本でも芸能人の不倫報道において男の方が問題視されることは少なく、女の側がバッシングされる傾向はその名残とは言えないだろうか?

 

【不倫のデメリット】

結婚したい気持ちが少しでもあるなら、「失敗すれば後がない」ということが、最大のデメリットであろう。

30歳前後で不倫をして、本気で相手男性と結婚しようと思ったけれど叶わず、気づいたら34歳あるいは35歳となっていた……。そのくらいの年齢になると、残念ながら婚活市場においては、「対象外」と見られることがほとんどである。

また、不倫をしていることを周囲に話しても、「三十路なのに、何やってんの?」という冷たい視線を送られるはず。普通の感覚を持つ人なら、いい年をしてうまくいく可能性が低い不倫にのめり込むなんて……と首を傾げるものなので、周りからの同調や応援も得にくい。

しかも、不倫は「好きな人に奥さんがいる」というライバルの存在が大前提の恋なので、なかなか気が抜けずに精神的な余裕もなく、普通の恋愛より視野が狭くなりがち。堅実な友人の「もうやめなよ」というアドバイスにも聴く耳を持たないかも。ふと冷静になって周りを見れば、友人たちに距離を置かれていた、という展開すらあり得よう。

 

【不倫のメリット】

もし、結婚に興味がない場合、不倫は「おいしいところ」だけを味わう最高の恋だといえる。セフレというほど割り切るわけでもなく、お互いに対して責任を負わない関係は、非常に都合が良いであろう。

しかも、不倫相手には奥さんがいて、ライバルがつねに存在する恋だから、駆け引きや競争心が煽られて「楽しい」と感じる人も少なくない。「男性との結婚を望んでいなくても、ライバルである奥さんに対して無暗に優越感を覚える」と興奮するという人もいる。

また、結婚を真剣に望みながらも、「面倒臭くない恋を楽しみたい」と、浮気として不倫をする人もいるのも事実。その場合、中高生時代に無邪気に男子生徒とじゃれ合ったような、純粋な恋の楽しみを得られるんだとか。一方では「不倫相手は本命じゃないし、気を遣わなくていいから本能だけでセックスできる」という意見も根強く存在する。

 

【金銭的な損得】

不倫が自由恋愛における浮気と大きく異なるのは、相手男性が既婚者であり、不倫は不貞行為として法的なペナルティが課せられるという点だろう。

そのため、不倫相手の妻が慰謝料を請求した場合、支払わないという選択肢を選ぶことは、なかなか困難。「相手が既婚者だと知っていて肉体関係を持った」これだけで、慰謝料は請求され、支払う義務が発生するのが通説判例となっている。ちなみに、著者がこのテーマに関する論文執筆のためにネットで関連記事を漁っていると、不倫による慰謝料請求の相場は200万円だ、と断言するサイトもあった。

結局のところ、200万ものお金を天秤にかけて「面倒臭くない恋を楽しみたい」「刺激的な関係に興奮したい」というのは、あまりに危険かと……。金銭的なリスクを考えると、やはり不倫にはメリットよりデメリットが多いといえるのではないだろうか?

結婚を望むにせよ、望まないにせよ、アラサーであれば賢く恋愛したいもの。どんなに素敵な既婚男性と出逢ったとしても、不倫は避けるのが賢明であろう。

 

【W(ダブル)不倫について】

ところで世の中には、W不倫というのがある。互いに配偶者を持つ者同士が不倫関係に陥った場合を指すが、ここで問題となるのは、このような関係をいかに収束させるかということだ。

現代日本の法制度及び価値基準に照らして唯一の正しい解決法があるとするなら、それは双方が合意の上で涙を呑んで関係を断つことであろう。

ちなみに山下達郎「時よ」吉田美奈子作詞、Live Album『It's A Poppin' Time』所収)はこのようなシチュエーションで聞くと当事者が涙を堪えることができなくなる名曲として知られている。

しかし双方が納得の上で別れるケースは滅多にあるものではなく、大抵はどちらかが未練タラタラで、他方もそれに負けて切ろうにも切れないままダラダラと関係が続く……というのが多いようだ。

そうこうしているうちにメールやらLINEやら香水の香りやら陰毛やら寝言やら映画の半券やら仄かな徴やらやらで双方の配偶者に事実が露見し、いよいよ地獄の修羅場を迎えることになる。

ちなみに木下古栗の小説「IT業界 心の闇」(『金を払うから素手で殴らせてくれないか?』所収)はこのテーマを扱った近年では出色の作品である。

というわけで、今回は不倫についてちょっと突っ込んで考えてみたが、このブログの読者の中には深刻な不倫の悩みを抱えている方がいるかもしれません。

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